明日、台湾は建国記念「国慶日」 祝賀式典に国民党議員団は不参加、究極の「ねじれ現象」

中華民国(台湾)は10日、建国を記念する「国慶日」を迎える。同祝日は1911年10月10日に発生した辛亥革命を記念するもので、日付に「10」が並ぶことから「双十節」と呼ばれることが多い。しかし、資産没収問題などで民進党政権に強く反発する国民党は、洪秀柱主席(党首)や立法院委員団(国会議員団)が政府主催の式典に参加しないと表明している。

台湾でも独立志向の強い人の中には「双十節とは、台湾にとって外国である中国で発生した政治上の出来事」などとして、「国慶日」の祝賀に反発を示す人もいる。しかし、10月10日を建国の日として祝う習慣は、台湾で定着したと言ってよいだろう。

蔡英文・民進党政権は国民党の資産没収を狙う動きを本格化している。国民党が終戦後に日本から接収した資産や、国共内戦に敗北した際に大陸から運んだ莫大な資産を「不当にも党の財産にした」との理由だ。蔡政権は「本来は国の資産」との考えで、国民党の資産を差し押さえるための「不当党産処理委員会」も8月31日に発足させた。

国民党は、党資産没収の動きに猛烈に反発しており、両党が「衝突」することも増えている。国民党の立法院党団(同党国会議員団)は9日午後、政府主催の記念式典には出席しないことを明らかにした。すでに、洪秀柱主席も出席しないことを明らかにしている。

同団総召(団長)の廖国棟立法委員(国会議員)は出席を取りやめた理由いついて「国民党政権時代に、民進党も出席しなかった」と述べた。ただし、来年以降については、「その時点の状況によって決める。仮に、与野党で協力的に対話ができるなら、国民党も出席するだろう」と述べた。

国民党の式典不参加について、民進党議員団の秉叡聴幹事長は笑いながら、「いずれにせよ国民党は、どんな案件においてもボイコットしている。とにかく、現場でトラブルを起こされるよりましだ」と述べた。

10日の祝賀式典については、李登輝元総統は不参加、馬英九前総統は出席することを決めている。受刑中の陳水扁元総統も、出席の申請をした。親民党の宋楚瑜主席は出席、時代力量は議員団の徐永明団長が出席する。

中国国民党は辛亥革命に成功した孫文が、それまでの中華革命党を1914年に改組して発足させた。歴史的経緯からすれば、中国国民党こそが、10月10日について「最も誇りをもって祝賀すべき政党」ということになるはずだ。また、「辛亥革命の日」を「建国の日」とすることは、「台湾は本来、中国の一部」とする中国国民党の主張の延長線上にある。

2016年の台湾の国慶日では、台湾を中国とは別の独自の社会と位置付ける民進党の政権が主宰する「国慶日」の祝賀式典を国民党がボイコットとする、「歴史的ねじれ現象」が起こることになった。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人