中国が「新世代・有人宇宙船」を開発…実験船を打ち上げ回収に成功

中国の新世代型有人宇宙船。着陸直後の様子

中国は9日、中国は5日に打ち上げた新世代型の有人宇宙船の回収に成功した。中国メディアの中新網は10日付で、関係者を取材しての同宇宙船についての解説記事を発表した。

同宇宙船について大きく注目されたのは、発表された着陸直後の写真で、外壁上部のパネルが脱落していたことだ。同宇宙船の開発関係者によると、パネルは損傷したのではなく、もともとそのように設計していたという。

設計の総合責任者である王平氏は、メーンの落下傘の前に、減速用の落下傘を射出する設計であり、パネルの脱落部分に見える「二つの目」のような部分は、減速用落下傘の射出筒だという。

また、同宇宙船は中国の有人宇宙船の従来タイプの「神舟」よりも相当に大きい。そのため、メーンの落下傘も大きくなり、そのための収納場所も考慮せねばならない。王平氏によると、メーンの落下傘は体の下部にしまい込み、ロープで引き出す方式にしたという。

また、新世代型の有人宇宙船は、大気に高速で再突入する方式にした。そのため、熱の発生も激烈になる。着陸後の宇宙船の船体は神舟の場合よりも激しく焼け焦げているようにみえるが、設計側にとってすべて想定内だったという。

王平氏は、同宇宙船の飛行と着陸について、精度面を含めて「極めて完璧だった」と表現。中国として初めて、着陸の衝撃を弱めるために船体下部に取り付けたエアバックも正常に作動した。着陸後の船体の姿勢の安定を保つために、接地の直後にバッグ内部のガスを急速に放出する方式にしたので、宇宙船は直立した姿勢で安定したという。

中国の新世代型有人宇宙船。着陸直前の降下中の様子。

さらに同飛行船では、飛行制御の「スマート化」も大幅に取り入れられた。宇宙船自身の「判断」で7回の軌道修正を行ったが、いずれの軌道修正も極めて精確で、着陸も予定地点に極めて近かったので、宇宙船の場所を特定する作業の負担が大きく軽減されたという。

中国の新世代型有人宇宙船。衝撃吸収用からのエアバッグからは接地直後にガスを抜き船体の姿勢を安定させた。

「新世代型有人宇宙船」は、8日午後6時に海南省の文昌航空発射場から長征5号B型ロケットで打ち上げられ、8日午後1時49分に、内モンゴル自治区中部のオラーンチャブ市ドルベッド・ホショー(四子王子旗)内にある東風着陸場内に着陸した。

◆解説◆
「ホショー」は内モンゴル自治区に特有の行政区画。中国語では「旗」。「ホショー」は本来、部族を示す単位だったが、清朝時代に「ホショー」ごとに遊牧に使う領域が制限され、活動地域が固定されたので、地名として用いられるようになった。