上海虹橋空港で旅客機があわや衝突 管制官が離陸開始の旅客機を忘れ、別の機に滑走路横断を指示

上海虹橋空港の滑走路で11日、旅客機2機が異常接近する事態が発生した。航空行政を所管する中国民用航空局(中国民航局)は14日、同空港の管制担当官が、離陸を許可した旅客機の存在を忘れ、別の機にタキシング(地上移動)して滑走路を横切るよう指示したためと発表した。

虹橋空港で11日午前11時50分ごろ、上海発天津行きの中国東方航空MU5643便(エアバスA320)が、離陸のための滑走を始めたところ、別の旅客機が滑走路前方を横切ろうとするのを視認。MU5643便の機長は離陸の続行を決断。同機は前方の旅客機を飛び越して離陸することに成功した。

空港内での旅客機2機の異常接近を受け、中国民航局はただちに調査を開始。14日午後に報告を発表した。報告によると、両機は垂直距離で19メートルにまで接近した。翼端は13メートルまでに近づいたという。

報告によると、MU5643便の判断と操縦法はいずれも正しく、そのために旅客機衝突という最悪の事態を避けることができた。

滑走路を横切ったのはエアバス330型機だった。滑走路を横切るよう指示された後、滑走路の端で別の機が離陸の動きを始めていたことを視認したのに、なにも疑わずにそのまま滑走路横断を続けるなど、同機の操縦には大きな問題があったという。

問題が発生した直接の原因は、担当の管制官が、タキシングする機の存在を忘れたためだった。また、ミスを避けるために、2人で同時に作業を進めねばならないのに、問題発生時は1人だけで管制していた。報告は、作業の管理方法と進め方の流れに問題があり、(担当官個人の問題ではなく、仕事の進め方全体について)システマティックに原因を考え、改善せねばならないと指摘した。

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◆解説◆
A320の座席数は150席以上。A330の座席数は最大で400席以上。虹橋空港での異常接近で、搭乗していた乗客乗員数は発表されていないが、仮に衝突していたら、500人以上が巻き込まれる大事故になっていた可能性がある。

これまでに発生した、死者数が最も大きい事故は、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ空港で1977年3月27日に発生した、KLMオランダ航空4905便 · パンアメリカン航空1736便の衝突事故。両機ともB747型機で、管制の無線が混乱して、パンアメリカン機が滑走路上をタクシングしている最中に、離陸しようとしたKLM機が突っ込んだ。現場にはかなり濃い霧がかかっており、KLMは衝突直前までパンアメリカン機を視認できなかった。

 

同事故では、パンアメリカン機の乗客乗員396人のうち335人が死亡、KLM機では乗客乗員248人全員が死亡。両機で583人が死亡した。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人