高速道路で豚がうろついていた、「いただこう。それっ」とワゴン車に積んで持ち去る=中国

中国メディアの揚子晩報網によると、江蘇省鎮江市と同省揚州市の境である長江に架かる高速道路端の潤揚長江大橋で9月14日、トラックから体重190キログラムの豚が落ちた。すると後続のワゴン車が停車して3人が降り、豚を自分らの車に乗せて、去ってしまった。

落とし主は安徽省阜陽市で、生きた豚のトラック輸送業を営む安振森さん。豚が落ちたことに気づいた安さんは鎮江警察に、豚を取り戻してほしいと連絡した。

知らせを受けた同市の交通警察高速道路第2大隊の尹鸣警官は、高速道路の監視カメラが記録した映像を元に、豚を持ち逃げした車両を特定。さらに所有者を割り出した。さらに、所有者の居場所を、鎮江市郊外にある民間会社と割り出した。

尹警官はただちに、豚がいると思われる会社に向かった。20キロメートルあまりの道を急いだという。到着した時、豚を持ち去った者らは会社敷地内で刃物も用意して、まさに豚を処分しようとしていたという。そばにある大なべには、湯が煮たぎっていた。

尹警官は、拾得した物を勝手に自分の物にしてはならないと説諭。最終的に、豚を生きたまま回収することに成功した。豚を引き取りに来た安さんによると、豚はトラックの荷台を閉じていたチェーンが緩まって落ちたという。

尹警官は、豚を引き取りに来た安さんに対しては、交通安全に万全の配慮をするように厳重に注意をしたという。

安さんは、自らの落ち度で持ち去られてしまった豚を、懸命になって取り戻してくれた尹警官に対して、強い感謝の念をいだいた。そこで、赤い記事に黄色い糸で「奉仕の態度は素晴らしい。仕事の質は高い」の文字を刺繍した錦の旗を作った。旗は10月14日に尹警官に渡された。

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◆解説◆
中国では、警察や消防署、あるいはその他の役所や一般企業に対して「特に感謝する出来事」があった場合、文字の入った旗などを贈ることがある。企業などが贈る場合もあり、個人の場合もある。多くは赤い生地の錦の旗で、文字の刺繍に使う糸は黄色か金色だ。

白い紙に書かれた「感謝状」よりも、赤と黄色系の錦の旗を使う理由としては、中国人が赤色や赤と金色系の組み合わせを「縁起がよい」と好むこともあるが、中国人が重視する「面子(メンツ)」の問題があると考えられる。

つまり、仕事場に赤色系で目立つ錦の旗を飾っておけば、相当に目立つ。来訪者が「これは、どうしたのですか?」と尋ねれば、自分が感謝されたことを説明できる。だから、目立つ錦の旗を贈ることは、相手の面子を立てることに直結する。

中国人は、他人に対して感謝の念あるいは好意を示す際、「相手の面子を立てる」ことを、少なくとも「相手が面子を失うことだけは避ける」ことを、まず考えると言ってよい。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人