フィリピン国防相が実効支配中の南沙・パグアサ島に上陸、携帯に「中国にようこそ」と着信

中央の島が南沙・パグアサ島
中央の島がパグアサ島

中国メディアの環球時報は12日、フィリピンのロレンナーザ国防相は9日、同国が実効支配するスプラトリー諸島(南沙諸島)のパグアサ島(中国語名は中業島)を訪問したが、携帯には中国移動(チャイナモバイル)が発信した「中国にようこそ」のショートメッセージが着信したと報じた。

パグアサ島はで中華民国(台湾)が実効支配する面積0.51平方キロメートルの太平島に次いで、南沙諸島では2番目の大きさの面積0.37平方メートルの島だ。フィリピンが実効支配しているが、中国(中華人民共和国)とベトナムも領有権を主張している。

ロレンナーザ国防相はフィリピンが造成した道路の開通式典に出席するために同島を9日に訪れたが、テープカットの際にチャイナモバイルが発信した「中国にようこそ」のショートメッセージを着信した。さらに、ベトナムの会社が発信した「ベトナムにようこそ」のメッセージも着信したという。

フィリピンでは、フィリピン側からのメッセージが着信しなかったことを問題視する声が出ている。フィリピンの電気通信事業者であるSmartは、パグアサ島近くの移動通信基地は数カ月前から故障していて、領有権の係争地なので軍艦や航空機の支援がなければ補修は困難と説明したという。

また、6月9日はフィリピンと中国が国交を樹立した日であるため、ロレンナーザ国防相が同日にパグアサ島を訪れたことには、中国を挑発する意図があった可能性があるとの指摘がある。

同国のロクシン外相は10日、自国の電気通信事業者が中国やベトナムの事業者と協力関係にあることをツイッターを通じて批判し「私の仕事をさらに難しくしている」と論じたという。
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◆解説◆
南沙諸島は中国、台湾、ベトナム、フィリピンがすべての島の領有権を主張し、マレーシアとブルネイが一部の島の領有権を主張している。

南沙諸島で国際法上の島、すなわち領土と認められる島を実効支配しているのは台湾、フィリピン、ベトナムで、中国が支配している島はない。しかし中国は1988年にジョンソン南礁、ファイアリー・クロス礁、クアテロン礁、ガベン礁をいずれもベトナムから武力奪取して実効支配を続けている。

中国はさらに、2011年から実効支配する四つの岩礁で大規模な埋め立てを実施し、陸上施設や滑走路を建設した。ただし、国際法では埋め立てで出現した陸地は島と認められず、領海や排他的経済水域の設定も認められない。