これって、メディアのミスリードではないのか?

テニスの大坂なおみ選手。「Black Lives Matter」と書かれたTシャツを着て試合会場に現れた

テニスの大坂なおみ選手が28日(2020年8月)、
「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」の準決勝に出場した際に
<「Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)」とプリントされた黒のTシャツを着て入場した>との報道がありました。

「あれっ」と思いました。

「Black Lives Matter」の日本語訳です。この言葉は、「我々を尊重せよ」という黒人側のスローガンになっています。

私は英語が得意じゃありませんけど
どうして「黒人の命は」でなくて「黒人の命も」と訳したのか。

私が直接見たのは朝日新聞とTBSテレビの報道ですけど
どちらも「黒人の命も」と訳していた。

「黒人の命も大切」と言えば
白人やらアジア系やら全ての命は大切であり
同様に「黒人の命も大切」
ということになるはずです。

では
「黒人の命は大切」だとどう違ってくるのか。

日本語の「は」という副助詞の理解はかなり難しくて
日本人でも「具体的に説明しろ」と言われると困ってしまう場合があります。
とくに「は」と「が」の使い分けは難しい。

文章を書く場合、日本語を母語とする人ならたいていの場合には
直観的に使い分けるのですけど
それでも、「この場合はどちらがよいか」と考えてしまうことがあります。

まあ、簡単に言えば
「主語相当部分にスポットを当てる機能」と言ってもよいでしょう
スポットを当てて置いた上で、述語部分に相手に伝えたい情報の中核部分を置くわけです。

「は」の機能は主語部分にスポットを当てるのですから
他の場合との違いを強調する場合もあります。

「日本人は米食民族である」
と言えば、
「他の民族についてはいざ知らず、日本人は米食民族である」
というニュアンスになります。

さて
「Black Lives Matter」
ですが、英語を母語とする人が
「白人やらアジア系やら全ての命は大切」というニュアンスを感じるなら
「黒人の命も大切だ」と日本語訳してもよいわけです。

このあたり、英語がよくできる人に教えていただきたいのですが
私にはどうも、そう思えないなあ。

だったら
「黒人の命は大切だ」
とすべきではないでしょうか。

ただ、この言い方だとかなりキツいですね
「白人やらアジア系の命はいざしらず、黒人の命は大事だ」
という感じもしますから。
ただ、こちらの方が本来のニュアンスに近いのではないか

「黒人の命は大切だ」と訳したのでは
反発を感じる日本人が増えるかもしれません。

「黒人の命も大切だ」だったら
たいていの日本人は
「当然の主張だ」
と、感じるのではないか。
米国では黒人の不満が高まり、大きな社会問題になっています


格差構造や白人側の横暴を批判する声もありますけど
黒人の行き過ぎた抗議に対する批判もあります。

「黒人の命も大切だ」と訳せば
そのことで
黒人側に対する好感度が低減することは
考えられない。

ということは、メディアが故意に「黒人の命も」と訳したのなら
日本の世論を誘導しようとしているのではないか。

と、こんなことまで考えてしまうわけです。

最後にもう一度繰り返しますが
私は英語についてはド素人です。

もし、原文の
「Black Lives Matter」を
「黒人の命も大切」と訳して問題ない
と語学上の観点から指摘できる人がいらっしゃったら
是非、ご教示願いたい。

Posted by 如月隼人