不思議不思議の「中国シャウエッセン」

中国でネット販売されていた「シャウエッセン」ソーセージ

たまたま見つけた、この写真。日本語表示は「シャウエッセン」で、中国語名は「尚味森(shàngwèisēn)」。漢字の意味を考えれば「依然として味の森」。原語の音を生かしたわけだけど、商品名としてイメージは悪くない。かなり上質な訳語ではないかと、思ったわけです。

しかし、ちょっと待てよ。この商品、日本の品のパクリではないであろうなあ。と思って、掲載サイトをもう少し調べてみることにしました。「出前館」という通販サイトで、「日本人専門ネットスーパー」とか、「職人のポリシーと情熱をお届けします」なんて文字がある。

「出前館」の肉類商品を紹介するページ

日本人だけを対象にした「中国人、完全にお断り」のサイトなのかどうかは分からないけど、サイトは日本語をベースに書かれている。これなら、中国語に慣れない日本人でも、すぐ理解できることは間違いない。使われている日本語も自然。違和感はない。

運営会社を見たら、上海市内に本社を置く上海錦業貿易有限公司で、事業内容の部分では「日本の食品・飲物・食材・日曜雑貨等の宅配サービス」「出前館ネットショップ運営」などと書いている。商品の配達範囲は、上海市の市街地が地図で表示されている。つまり、上海在住の日本人向けのサービスということか。

商品を見てみようということで「肉類」のページを開けると、最初にあるのは「尚味森」。なるほど、筆頭の売れ筋商品ということか。ん? その次に掲載されているのは「オーストラリア産ハンバーグ」「オーストラリア産牛ステーキ」……。

むむむ。「日本の食品」と言えるのかなあ。さらに見ると、豚肉なんかには「梅善精肉店」なんて書き添えられている。梅善精肉店? と思って調べてみたら、愛知県豊橋に本社を置く梅善という精肉販売の会社があって、中国事業も展開している。実店舗を出しているのは上海市内と浙江省杭州市内で、計6店舗。

有限会社 梅善HPに掲載された、中国事業を紹介する部分

まあ、豚肉が中国産だとしても、日本の会社が扱っているなら「ほぼ日本の食品」と言ってよいかもしれない。仕入れる豚肉の選別から、切り分けなんかの加工も、日本で磨いた経験や技術を投入するでしょうからね。

さらに、「出前館」のサイトの「会社概要」のページを見ると、主要取引先を書いていた。三得利(中国)投資有限公司【サントリー】 / 朝日啤酒(中国)投资有限公司【アサヒ】/ 可果美(上海)有限公司【カゴメ】 / 伊藤食品商貿(上海)有限公司【伊藤ハム】 / 宝酒造食品有限公司【タカラ】 / 日清油脂有限公司【日清】と並んでいる。

なるほど、日本の大手食品メーカーの中国法人と取引しているわけか。食肉関係としては「伊藤ハム」がありました。あれ? ちょっと待てよ。「シャウエッセン」って、ニッポンハムの商品のはずだ。伊藤ハムのソーセージの商品名は「アルトバイエルン」なんかだ。おっかしいよなあ。何がなんだか分からなくなってきた。

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Posted by 如月隼人