雑感:大陸性中国人と海洋性中国人

高橋孝治さんが、こんなことを書いていた。
https://www.facebook.com/koji.takahashi.94043/posts/796047610538276?pnref=story

最近の政権が内外に対してやることを見るにつれ、中国人の統治感覚(特に統治者側の)が先祖返りをしているように思えてならない。

 

昔、日本で長期の経験を積んだフランス人のポール・ボネという筆名書かれた「不思議の国ニッポン」というシリーズの書物を読んだ時、中国人は「大陸性中国人」と「海洋性中国人」に分けて考えねばならないと強調していた(ポール・ボネは日本人作家・評論家の藤島泰輔とされている)。

海洋性中国人とは要するに、海に出て中華以外の文化・文明にも開眼した中国人。台湾人、東南アジア華僑、それに香港・マカオ人。

 

その時は深く考えなかったけど、今はひしひしと感じる。「大陸性」と「海洋性」でどちらが本家筋かと言えば、もちろん本国の「大陸性中国人」。一方の「海洋性中国人」は、何世代にもわたって異文化民族とつきあってきたから、発想も柔軟になったということかな。

 

中国大陸でも、改革開放がはじまって、本来ならば「海洋性中国人」の柔軟さを取り入れる道が開かれたように見えた。鄧小平は完全に「大陸性」だったけど、胡耀邦なんかは、かなり「海洋性」、つまり異質の発想に対する柔軟さを備えていたように思う。温家宝にもそういうところがあった。

 

ただ、習近平政権になったからの中国には「大陸性」の発想ばかりが目立つようになった。自らの価値観を絶対視して、他の考え方との共存は拒絶する。もう少し言えば、「他の考え方に柔軟な者は、中国人としての仲間と認めない」という感覚。さらに言えば「中華」と「化外」を峻別して、「中華の方が上であるのは自明の理」とする。「化外」でも、「中華にスリスリする者ら」は歓迎して、「スリスリしない者」は、「不正義である」との烙印を押す。

 

「大陸性」と「海洋性」の区別は永遠に不動であるわけではない。蒋介石は典型的は「大陸性中国人」だったと思うけど、今の国民党は世代を経て、一定程度「海洋性」を獲得したように見える。

 

問題は中国大陸で「大陸性」が急速に強まったこと。統治に対する危機感の表れとも思えるけど、少し長い目で見れば、歴史に逆行している。

 

そうそう。台湾や香港では、中国(中国人)に対する反発が強い。あれは「反共産党」ということでもない。根底にあるのは、「海洋性中国人」が抱く、「大陸性中国人」に対する違和感なのではないか。中国本国の力が増しているだけに、不気味でえげつない存在に思えてならない。だから、台湾人や香港人の多くが「私は中国人でない」と考えるようになった。

 

正確に言えば「私は大陸性中国人ではない」ということだろう。「大陸性中国人こそ中国人」と定義すれば、台湾人や香港人は「中国人ではない」ということになる。