中国がフィリピンに「ラブコール」 武器供与も辞さず

中国政府・外交部の耿爽報道官は14日の記者会見で、フィリピンのドゥテルテ大統領の政策遂行のためなら、同国に対する武器供与も視野に入れる考えを示した。

記者側から「フィリピンがテロリズムや薬物密売に打撃するためなら、中国はフィリピン側に軽武器の供与を含む援助を望んでいると報道されているが、事実なのか。どう論評するか」との質問が出された。

耿報道官は「一昨日にも同じような質問があった」と述べた上で「中国・フィリピン関係の改善にともない、中国側はフィリピンとの関係を回復し、さらに各分野における交流と協力を強めたいと望んでいる。軍事交流も両国関係の重要な一部だ。中国側はドゥテルテ大統領が法に基づきテロリズムと薬物密売という犯罪行為に打撃を与える行動を支持する」と述べた。

 

2日前の12日の記者会見では、ドゥテルテ大統領が「中国から最新の武器を供与を受ける」と発言したとの質問について、中国はフィルピンと各分野における交流と協力の強化を望んでいると回答していた。

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◆解説◆
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国には、中国との関係強化で自国経済を発展させたいとの思惑がある。一方で、心の底には中国に対する警戒感と不信感もあるのが一般的だ。

現在、大きな問題になっているのは南シナ海を巡る権益問題だ。同問題で、ベトナムは完全に中国と対立する関係だ。フィリピンも中国と対立してきたが、ドゥテルテ政権は、中国との間にある問題を“棚上げ”にする姿勢を示している。

ここで、目立つようになってきたのが、中国外交伝統の「敵の中に味方を作る」手法だ。すなわち、ASEAN全体を一枚岩にさせず、中国と対立する相手を直接屈服させることもせず、ASEAN内部に中国の同調国を増やし育てる方法だ。

 

これまでのところ、カンボジアやラオスは親中国的だ。インドネシアは中国の活動に警戒感を強めている。これまでベトナムとともに中国批判の先鋒だったフィリピンを完全に味方にできれば、南シナ海および東南アジア全域における中国外交にとっては、極めて大きい「得点」となる。(編集担当:如月隼人)