台湾・蔡英文総統が17年1月に中米4カ国を訪問

中華民国(台湾)総統府は20日、蔡英文総統が2017年1月7日から同月15日にかけて、ホンジュラス、ニカラグア、グァテマラ、エル・サルバドルの中米4カ国を訪問すると発表した。

 

 

蔡総統は11月に大統領選挙が実施され、現職のダニエル・オルテガ大統領が再選されたニカラグアでは1月10日に行われる大統領就任式に出席する。さらに、訪問先の個別の国との友好を深めるだけでなく、台湾と中米統合機構(SICA)との多方面にわたる協力の成果も視察するという。

蔡総統の中米訪問で注目されたのは、米国を経由するかどうかだ。総統府で同件を報告する記者会見を開いた中華民国外交部(台湾外務省)の侯清山次長は、「(現在発表したこと以外の)外遊についての詳細は、来週に説明する」と、明言を避けた。

米国を通過することについて「中国の圧力を受けたのか」との質問に対して総統府の黄重諺報道官は「ない。憶測のしすぎ。行政の仕事には一定の時間がかかる」、「(中国の圧力は)絶対にない」と強調した。

米国次期大統領のトランプ氏は2日、蔡英文総統と電話会談した。また、トランプ氏や側近は「台湾総統(The president of Taiwan(台湾総統)」と表現した。トランプ氏はさらに、中国が経済問題で米国から一方的に利益を得るなら、「ひとつの中国」政策を見直してもよいとの考えを示した。

中国当局はトランプ氏批判を最小限に抑えているが、台湾問題に対する米国新政権の方向性に対して、極端に神経質になっていることは確実だ。

中国では、蔡英文総統が中米を訪問する際に米国を経由し、トランプ氏と会う可能性もあるとして警戒する見方が出ている。

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◆解説◆
現在、中華民国を承認し、同国と外交関係を持つ国は22カ国だ。うち、蔡英文総統が訪問するニカラグアなど、12カ国が中南米に集中している。

中国は蔡英文総統が「ひとつの中国」の合意原則を認めていないとして、同政権との対立を強めている。中国が蔡英文政権に対して、台湾における同政権の支持が低落する方策を講じてくることは確実だ。まず考えられることとしては、台湾を経済面で圧迫することだが、それ以外にも台湾の外交的孤立を深めることがある。

台湾を承認する国は世界でわずか22カ国にまで減っている。蔡英文政権下で台湾と国交を断絶し、中国と外交関係を樹立する国が出現すれば、経済交流などの実益面は別としても台湾で政権に対する不安感が増大することは間違いない。

蔡英文政権も、中国の外交攻勢が予想される中、中米における承認国との関係維持が極めて重要と認識したからこそ、総統自らの4カ国歴訪の実現に尽力したと考えられる。(編集担当:如月隼人)


Posted by 如月隼人