北京市発表:大気汚染の発生時、家庭での炒め物料理は好ましくない

北京市政府・衛生和計劃生育委員会(衛生と計画出産委員会)と疾病預防控制中心(疾病予防抑制センター)は共同で9日、「霧霾防護常識十三問」と題する、大気汚染による健康被害を低減するための手引きを発表した。大気汚染発生時には家庭における炒め物料理も好ましくないとした。

大気汚染の「正体」については、多くが硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩など水溶性無機物質のイオンや鉛、カドミウム、ヒ素などの金属や半金属物質、さらに有機物や煤などの炭素系物質の微粒子であることが2013年から15年にかけての研究で判明したと説明。

大気汚染の健康への影響については、汚染物質を大量に吸い込んだ場合、呼吸器官や目が刺激されることで咳や喉の痛み、頭痛などの症状が発生し、長期間にわたり大気汚染にさらされた場合には慢性炎や免疫力の低下、アレルギー症状が発生することがあるとした。

大気汚染発生時には、屋外での活動を減らすよう提案した上で、外出時にはマスクが主要な防護措置になると説明。中国の国家標準はマスクをA級からD級までに分類しているが、「厳重な汚染」に対応しているのはA級などと、汚染の程度によってマスクを使い分けるべきと指摘した。

さらにマスクは鼻と口を完全に覆っているように着用することが必要で、使用者の顔の形状に適したマスクを使用することも大切と説いた。

家庭内で空気清浄機を使用する場合、PM2.5に対応している機器を選ぶべきと指摘。さらに、フィルターの寿命もあることに注意を促した。

家庭生活上の注意としては、まず、喫煙を挙げた。30立方メートルの室内でたばこ1本を吸ったところ、室内PM2.5の濃度は空気1立方メートル当たり500マイクログラム以上になったとして、大気汚染時発生時には室内で喫煙しないよう勧めた。

さらに、炒め料理や揚げ物をした場合、換気扇を使ってもPM2.5の濃度は瞬間的に空気1立方メートル当たり800マイクログラム以上になることが実験の結果分かったと説明。そのため、調理時には換気扇を使うと同時に厨房のドア、客間、今のドアなどを閉めて、厨房以外へのPM2.5拡散を低減すべきと主張。さらに、できる限り「蒸す、煮る」などのPM2.5が発生しにくい調理法を採用すべきと提案した。

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◆解説◆
中国ではこれまで、空気1立方メートル当たりのPM2.5が1000マイクログラムを超える大気汚染がしばしば観測されている。遼寧省瀋陽市では2015年11月8日、空気1立方メートル当たりのPM2.5が1400マイクログラムを超えた。

最近では16年12月18日、河北省石家荘市でPM2.5がとPM10の濃度がいずれも空気1立方メートル当たり1000マイクログラムを超えた。

北京市当局が上記発表で紹介した「室内で喫煙した場合」の例だが、日本の家屋では6畳間の空間にある空気の量は23立方メートル程度とされている。つまりPM2.5が空気1立方メートル当たり1000マイクログラムの大気汚染とは、6畳間よりやや大きい部屋を閉め切ったまま、たばこを2本吸った時に発生する煙の濃度に匹敵することになる。

なお、続けて提案した「炒め物はできたら避ける」との提案内容には疑問も残る。調理時に発生する空気中の微粒子は、多くが油などと考えられるからだ。油煙も健康に対する悪影響があるだろうが、大気汚染の際に空気中を漂うと判明した主要な微粒子である硝酸塩や硫酸塩、さらに鉛、カドミウム、ヒ素などと同列に論じることはできないだろう。(編集担当:如月隼人)

 

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Posted by 如月隼人