台湾・蔡英文総統の中米歴訪、今のところ順調・中国側の妨害は見いだせず

中華民国として国交を維持する中米のホンジュラス、ニカラグア、グァテマラ、エル・サルバドル歴訪の旅に出発した台湾の蔡英文総統は現地時間10日、ニカラグアのオルテガ大統領の就任式に出席した。蔡政権を危険視する中国は外交でも攻勢を強めているが、今のところ蔡総統の歴訪に対する中国側の直接の“妨害”の成果は見当たらない。

オルテガ大統領は現地時間9日午後、到着した蔡総統と会談し、「台湾は完全なる国家」などと述べ、台湾との関係を重視する関係を強調した。台湾・総統府は上機嫌で談笑するオルテガ大統領・蔡総統の写真を公開した。

蔡総統はオルテガ大統領の再任就任式に出席した。台湾国営の中央通訊社は改めて、2人の親しげな様子を示す写真を報じた。

中国側が蔡英文政権について最大に問題視しているのは、「台湾側も会談の際にひとつの中国の原則を認めた」証拠とされる九二共識(九二合意、92コンセンサス)を認めていないことだ。同合意については、発表について不自然な点があり、台湾では当時総統だった李登輝氏をはじめとして、「そもそも存在しなかった」と主張する要人も多い。

 

中国は蔡英文政権に対して、同合意を認めるよう強く求めているが蔡政権は認めていない。結果として中国は台湾に対する有形無形の圧力を強めている。

蔡英文政権にとって最も大きな打撃は、中国による経済分野の締め付けだが、外交攻勢も見逃せない。16年12月にはアフリカのサントメ・プリンシペが台湾と断交し中国との国交を樹立した。

台湾にとって、国交を維持する国が減少することで、経済面などで大きな打撃を受けるわけではないが、国際政治で孤立する台湾にとって、国交を維持している国がこれ以上減少するのは避けたい。台湾と断交する国が生じれば、台湾における蔡英文政権に対する不信に直結する。

中国にしてみれば、台湾において蔡政権が支持を失い自滅することが、大変に望ましいシナリオだ。そのため、蔡英文総統の中米歴訪に関して「中国は歴訪が始まってから、中米で台湾と国交断絶をする国が出るように仕掛けているのでは」との憶測もあった。しかし今のところ、蔡総統の中米訪問は順調に進行している。(編集担当:如月隼人)

 

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