米トランプ大統領「水責めは有効」発言、中国政府報道官は「わが国に拷問ない」と明言せず

中国政府・外交部(中国外務省)の華春瑩報道官は26日の定例記者会見で、米トランプ大統領がテロ組織関係容疑者に対して行う「水責め」などの拷問的手段に対して「効果がある」と述べたことへの感想を求められたが、拷問の是非や自国での状況については回答を避けた。

トランプ大統領の発言について「中国は拷問や人権に反する言論をどう思うか」との質問が出た。

華報道官は「トランプ大統領の発言について具体的な発言はしない」と断った上で「原則として、中国はすべての形式のテロリズムに固く反対する。同時にわれわれの拷問問題に対する立場は一貫している」と述べた。

テロに対しての姿勢は従来通りに「反対」と明言。ただし拷問については「中国では存在しない」との「反対」とも言わず、「立場は一貫」とだけ述べた。

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◆解説◆
中国ではインターネットなどを利用した情報公開が盛んだ。中央省庁および地方政府によるウェブサイトやSNSを利用した情報発信は、日本よりも盛況と言えるほどだ。しかし一方では、「都合の悪いことは隠す」という体質も根強い。

外交部は夏休みなどを除く平日午後の毎日、定例記者会見を行っており、その情報は同日夕方以上に公式サイトに掲載される。しかし、都合の悪い質疑応答は削除されることがある。2010年ごろまでは、同記者会見の掲載頁は「記者会見実録」と表示されていたが、その後は「実録」の文字がなくなった。質疑応答をすべて反映すると主張する「実録」の言葉を避けることで、削除などに対する批判を避ける意図があったと考えられる。

さらに、各部門の報道官の発言では、虚偽の発言と指摘されることを形式的に避ける傾向が強い。特に外交部報道官の発言では目立つ。

都合の悪い質問に対して「聞いていない」、「知らない」などと回答する場合が多い。さらに、事実に対する言明を避け、原則を抽象的に述べて終わらせる場合がある。

華報道官は拷問についての考え方を問われて「原則は一貫している」との発言にとどめた。「認められない」、「中国では行われていない」などの明確な回答ができなかったからと解釈できる。(編集担当:如月隼人)

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