世界海洋デーの8日、深セン沖合いの海底に大量の死んだ魚 禁漁期にもかかわらず違法な爆発漁法か

世界海洋デーの8日、広東省深セン市の沖合の海底で大量の魚が死んでいたことが分かった。違法な爆発漁法を行った者がいると見られている。現場海域は5月1日から8月16日正午までは資源保護のために禁漁期。

 

ダイビング愛好家が練習のために海に出た。午前7時50分ごろ海面に多くの魚が浮かんでいるのを見た。そこでその場所で潜ったところ、海底で大量の魚が死んでいた。「全部で100キログラム分以上はあっただろう」という。海岸から50メートル近くで水深は4-8メートル程度の場所だった。鰓(えら)が白く変色している魚もあったが、現場海域で異臭は特になかった。死んでから5、6時間は経っているように見えたという。

すぐに、SNSを通じて所属団体の仲間に事情を伝えた。仲間がただちに地元行政の水産関連所管の深セン市大鵬区漁政大隊に通報した。大隊によれば、現場を調査したところ水面に魚が浮いており「爆発漁法」が原因と断定した。周囲に違法操業をしている船はなかった。

当局は住民らに情報提供を求めている。また、近くの漁港では漁船すべてが休漁中のため停泊しており、離れた場所からやってきた者が爆発漁法を行った可能性もあるという。多くの魚の死骸が残されていたのは、発覚を恐れて急いだので浮いてる魚もかなり残したことと、海底の魚については潜水の道具を持っていなかったのかもしれないという。

容疑者は爆発物を違法に所持している可能性も高いので、有力な情報があればただちに、警察にも連絡する考えだ。
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◆解説◆
「爆発漁法」は水中で爆発物を用いることで、衝撃派により死んだり気絶して水面に浮きあがった魚を回収する漁法。ダイナマイト漁と呼ばれることも多いが、かならずしもダイナマイトを用いるわけではない。

爆発漁法は正統的な漁法と比べると安直に大量の魚を得ることができる。しかし、必要ない小型の魚や稚魚も殺してしまう。サンゴ礁で行えば、サンゴ(サンゴ虫)も死滅させてしまう。サンゴ(サンゴ骨格)の主成分はサンゴ虫が水中に溶けているカルシウムと二酸化炭素を結合させた炭酸カルシウム(固体)だ。サンゴ虫が利用する二酸化炭素は大気中にあるものではないので、温暖化ガス減少との関係は評価しにくいが、遊離状態の二酸化炭素を固定している作用であることに間違いない。そのため、サンゴ虫を死滅させることは、温室効果ガス減少の努力に逆行するものと言える。

深セン市近海で魚の大量死を発見したのは呉偉告さん。呉さんの所属する団体は深セン市にあるサンゴ保護公益組織の「潜愛大鵬」。中国では企業活動にともなう、あるいは心無い人による自然破壊が問題になることが多いが、一方では環境意識に目覚めた市民の活動も活発化しつつある。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人