接岸に失敗、船の30mベルトコンベヤー折れ道路に落下…上陸を試みた「驚き」の理由

中国地図で湖北省襄陽市を探せば、国土のちょうど中央部分で見つかるはずだ。市の北西から南東に向けて、長江最大の支流である漢水が流れている。同市市民の偉さんは8日正午過ぎ、漢水沿いの道を歩いていた。どんよりと曇った日だった。

すぐ後ろから「ガガガーン」という音が響いてきた。地面が揺れた。驚いて振り向くと、川岸のすぐ近くに砂を積んだ船が浮かんでいた。岸に衝突する寸前だ。船の先頭部分からじゃ鉄塔のようなものが伸び、途中で折れ曲がって道路に落下していた。

浮かんでいたのは漢水の川底をさらう砂採取船だった。折れ曲がったのは採取した砂を船に積むためのベルトコンベアーだ。長さは30メートルで幅は15センチメートルほど。川岸の欄干が破壊された。太い鉄パイプが5メートルほど折れ曲がった。一方の端はコンクリート製の護岸から外れていた。飾りの鉄枠が散乱した。歩道と車道の間の柵も破壊された。ベルトコンベアーの先端部分が車道のアスファルト舗装を削った。

自動車の往来も激しい道路だが、ベルトコンベアーの落下付近には、たまたま通行車両がなかった。偉さんら通行人も、すんでのところで直撃を免れた。

 

砂採取船には男1人が乗り組んでいた。やってきた警察が事情を聞いた。船は別のところで採取した砂を積んで、所定の船着き場に戻る途中だったと分かった。操舵していた男は、途中で接岸しようとしたところ、岸近くで急に川底が浅くなって船が揺れ、船首部分から突き出していたベルトコンベヤーが上下に大きく揺れはじめたと説明した。最後には、川岸の欄干にぶつかって折れてしまったという。

 

警察はさらに、予定がなかった場所で接岸しようとした理由を聞いた。すると男は「たばこを切らしてしまって……。岸に上がればどこかで買えると思ったものですから」と話しはじめた。

男は必要な船舶免許も取得していなかったことが分かった。警察は男に15日の行政拘留と罰金500元(約8110円)の処罰を科すことにした。記事は、操船していた男の民事責任については触れなかった。

同事故で死傷者は出なかった。
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◆解説◆
行政拘留とは行政処罰の一種で、根拠法は治安管理処罰条例。県級公安機関(県警)以上の警察機関の判断で大で15日間、身柄を拘束することができる。同一人物に複数の違法行為があった場合には最大で20日間の身柄拘束を科すことができる。

行政拘留の決定に不服である場合、再審査や行政訴訟を起こすことができる。その場合、釈放のためには保証人または保証金が必要になる。

満16歳未満の者、満16歳以上で満18歳未満であり治安管理処罰条例違反が初回の者、満70歳以上の者、妊娠中または満1歳未満の嬰児に授乳中の女性には行政拘留を科すことができない。(編集担当:如月隼人)

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