<雑感>究極かつ至上の「玉露コーヒー」を目指して

コーヒーが好きです。目指しているのは「至上の玉露コーヒー」です。

まずは、コーヒーをいただくまでの過程を並べます。

1:コーヒーの木を栽培する。

2:実を収穫する。

3:実から種を取り出す(果肉部分の除去にはいろいろなテクニックあり)。

4:種(豆)を乾燥するなどの処理をほどこす。

5:適切な条件下での保管。

6:豆をローストする。

7:ローストした豆を砕く。

8:抽出する。

9:抽出後の温度微調整。

10:いただく。

このうち、1-5までの作業は、業者さんに依頼するしかないかなあ。以前、コーヒーの木の栽培に挑戦して、ほぼ10年がかりで失敗したことがあります。

それはそれとして、素人がせいぜいできるのは、5の段階までを経て、いわゆる「生豆」状態で買ってきてから以降かな。

さて、その生豆をどう扱うか。いろいろ工夫をした結果、私がやっているのは生豆をまず、ざっと煮てしまうやり方です。

生豆は薄皮に包まれています。チャフなどと言います。ローストすると、このチャフが大量に出て、要するに大量のゴミが出てとても面倒なのですが、それ以前にチャフはコーヒーの味を濁らせてしまうという問題がある。雑味ですね。「生豆はまず、水洗いするのがよい」と主張する人もいるのですが、問題はある。

水洗いすれば、かなり程度はチャフを取り除けるのですが、それでも大量に残る。ということで試した結果、鍋に湯を沸かせて、その中にコーヒー豆を投入する方法を工夫しました。投入後に再沸騰したらすぐにザルにあげます。

取り出した豆を、一粒、一粒、再点検。虫食いとか内部がかびている豆が、結構あります。全部、取り除く。まだ豆にへばりついているチャフも取り除く。

ローストしてOKと判断した豆はざるに上げて数日間放置。水分を吸って結構ふやけていますからね。多少なりとも乾燥させる。水分を含むコーヒー豆をローストすると、ムラができやすい。

私の場合、手網でローストします。きちんとやれば水気を帯びた豆でもローストのムラは回避できますが、格段に難しくなる。だから、数日間は風通しのよい状態で水分を抜いて、煮沸前の状態にできるだけ戻す。

さて、ローストについてもテクニックはあるのですが、ここでは省略します。いま、手元にロースト済みのコーヒー豆があるとします。慣らし期間であるローストしてからの1昼夜以上が経過した(本当は2昼夜以上がよい)とします。そして挽くとします(コーヒー豆挽きにもいろいろと問題が出てくるのですが、それは別の機会に)。

ということになれば、いよいよコーヒーを淹れねばならない。そこで最近になって確立したのが、コーヒーを淹れる際の水温の基準です。よく言われるのが摂氏80度程度ですけど、さらに低くしてみた。摂氏67度程度。

コーヒーの出は悪くなります。したがって、通常の2倍近い豆が必要になります。でも、この方法が大成功。

コーヒーでは「水出しが最高」という主張もある。主にコーヒーの雑味がなくなるという理屈です。たしかにそうだ。ただ、水出しコーヒーでは心をかきたてる野性味も出てくれない。なんだかつまらないと私は感じる。

ということで、いろいろ試した結果、67度抽出にしました。温度計を使って確認しています。もちろん誤差はあります。

この水温で淹れれば雑味はほとんど出ない。私がコーヒーに求める、とろりとした甘みと鼻腔の奥で感じるふっくらとしたかぐわしさを共存させることができる。私は勝手に「玉露コーヒー」と名付けて悦に入っているというわけです。

美味しいコーヒをいただける店で、私が今、一番気に入っているのは、銀座にある十一房珈琲店という店です。極上のコーヒーを追求するマスターの姿勢がすばらしい。淹れ方については私の流儀とは違い80度ぐらいの水温だそうですが、雑味がまるでない。私が目指す「玉露コーヒー」をいただける。さらにすばらしい「想定外のコーヒー」に出会うこともしばしば。

私の場合、ロースト終了までの段階で、かなり不備があると思います。でも十一房の場合、豆の選定から自家焙煎の具合までとどこおりなく素晴らしいので、本当にびっくりするぐらい美味しいコーヒーをいただくことができる。やっぱり高い志を持つプロの仕事はすごいなあ、と思います。