「台湾旅行法」が米下院委員会チームを通過、成立すれば大統領・総統相互訪問の法的基盤に

台湾メディアの中央通訊社などによると、米下院外交委員会アジア太平洋チームは現地時間15日、「台湾旅行法」を全会一致で可決した。同法が成立すれば法律上、米大統領や台湾総統を含む高官の相互訪問が可能になる。

共和党所属のスティーブ・シャボット議員と民主党のブラッド・シャーマン議員、米下院外交委員会のエド・ロイス委員長が1月、共同で法案を提出した。法案は上下両院で可決され、大統領が署名することにより成立する。

米国のティラーソン国務長官(外相)は中国や台湾を巡る情勢について「米国は『1つの中国政策』について異なる解釈をしているが、米中の交流において米国は完全に「台湾関係法」を守り、台湾関係法が台湾について約束していることを履行する」と述べた。

台湾の蔡英文総統はツイッターで、同法案成立に向けた動きについて、英語と日本語で「台湾はアメリカ、日本とほかの国からの相変わらずの支持に対して、誠に感謝しています。これからも引続き地域の平和と安定のために、各国と一緒に頑張りたいと思います」と表明した。
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◆解説◆
米国は1979年1月1日に中国との国交を樹立し、中華民国(台湾)と断交した。当時は米ソも米中も対立しており、中国を引き寄せることによってソ連を孤立させる狙いがあった。しかし、東アジアの軍事バランスの急速な変化を避けるため、米国は台湾関係法を制定し、同年4月10日に発効させた。

同法は「合衆国の中華人民共和国との外交関係樹立の決定は、台湾の将来が平和的手段によって決定されるとの期待にもとづく」として、台湾を対象とするボイコットや封鎖も「平和的手段」ではないとして、米国の重大関心事と主張した。

また、「合衆国は、十分な自衛能力の維持を可能ならしめるに必要な数量の防御的な器材および役務を台湾に供与する」として、米国の判断により台湾に武器売却を続けることを宣言。さらに、台湾人民の安全や社会、経済制度に対する脅威や危険に対抗するため、大統領と議会は「取るべき適切な行動を決定せねばならない」と定めた。同条文により、米国は中国が「平和的でない手段」で台湾を統一しようとした場合、軍事力行使も辞さない意志を示したことになる。
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米中国交正常化に関連して同国政府が交わした文書には、台湾問題について「英語版」と「中国版」に違いがある。両国政府がそれぞれの国内向けに「故意に玉虫色の語訳をした」との見方がある。

例えば国交正常化時に両国が発表した共同声明の英語版の該当部分は「The Government of the United States of America acknowledges the Chinese position that there is but one China and Taiwan is part of China.」と、「中国はひとつしかなく台湾は中国の一部であるとする中国の立場」を米合衆国政府は<acknowledge>するとしている。<acknowledge>という動詞を使えば、「米国政府は中国政府の立場を知っている」だけであり認めているのではないとの解釈も可能になる。

一方、中国語版は「美利堅合衆国政府承認中国的立場,即只有一個国,台湾是中国的一部分」としている。「アメリカ合衆国政府は中国の立場を承認している。すなわち中国はただ1つであり、台湾は中国の一部分である」と米国政府は中国政府が主張する「ひとつの中国」に同意したとの書き方だ。(編集担当:如月隼人)

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