四川の大規模山崩れ 成績悪かった自分、「手に職つけろ」と見送ってくれた父母の姿はなく

四川省ガパ・チベット族チャン族自治州茂県で24日早朝に発生した大規模な山崩れでは、山麓にあった新磨村のほとんどすべての建物が土石に埋まった。同村では現金収入を得るためなどの目的で、家を離れて都会で暮らして仕事をする人も多かった。26日までに300人以上が家族を心配して戻ってきたという。

王海唐さんはまだ10代の少年だ。「中学校に行ったのですが成績が悪くて、14歳のときに学校をやめてしまったんです」という。それで、年上の親類に連れられて省都の成都に行って働くことにした。本来ならば義務教育期間だが、中国の農村部ではそう珍しくはないケースだ。

家を離れたのは5月13日だった。わずか1カ月半ほど前だ。戸口に立って「しっかり手に職をつけるんだよ」と言って見送ってくれた父母の姿が忘れられない。

現場では、家族や親族の名を叫び、号泣する人の姿も見られる。救助隊も心が痛んでならないという。写真は25日に撮影されたもの。現場はその後、立ち入りが禁止された。山の状態は不安定で、再び崩れる恐れもある。危険が高まったとして救助隊もいったん現場から撤退することを繰り返している。

 

 写真の女性は、いとこが行方不明になったという。24日には現地に駆けつけて探し回ったが見つからなかった。「早く掘ってほしい。まだ生きていると信じています。昨晩も一緒に働く夢を見ましたから」という。

山崩れ発生直後から、当局は生存者救出を全力で行うとしてきた。救助隊からも「たとえ糸筋ほどでも希望があれば、絶対にあきらめない」との声が上がった。

しかし専門家からは、生存者が見つかる可能性は低いとの指摘も出ている。地震などによる建物倒壊とは異なり、800万立方メートルのという膨大な量の土石の直撃で建物が一気に破壊されたからだ。山崩れが発生したのは新磨村の裏手にある山の山頂付近で、最大で1600メートルの高度から土石が約100秒という短時間で一気に村を襲ったという。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人