雑記:中国関連の仕事を始めた当初、帰宅時の電車で得た「悟り」

学生時代にとりあえずは学んだことを、社会人として生かす根性もあまりなく、しばらくはふらふらしていたわけであります。まあ、いくつかの職業を転々としました。「いずれの仕事も長続きせず」と、なにか大問題を起こした人物が報道される時の枕詞みたいな日々でした。

もっとも、長続きしなかったのは、私の都合ではなく、雇う側の都合だったわけであります。エヘン(少しも自慢にならない)。

ひょんなことから、ウチに来ないかとお声がけをいただいて始めたのが、編集記者の仕事。日本人読者向けの中国情報の記事を書く、なんて仕事でした。最初の仕事は紙媒体。大手出版社の月刊誌なんて仕事もした。

はっきり言って、時間拘束は無茶苦茶だった。今ではNGですが、1週間に5日出社して3日は終電、2日は泊まり込みで徹夜仕事なんてことの繰り返しだった。まあ、不慣れな私の仕事の能率が悪すぎたというのが、根本的な原因とは言えますが。

とは言え、入稿を済ませてしまえば、多少は楽になる。ある晩、自宅最寄りの地下鉄の駅で降りて、構内から出て「あれ? 様子がなんか変?」と驚いたことがありました。10秒間して原因が判明。いつもは、駅前で営業している店は24時間営業の牛丼屋とその隣の隣の隣ぐらいにあるコンビニぐらいだった。

その日はそれ以外の店も、まだ営業していた。照明がついている。「街が明るい」ことに違和感を感じたのでありました。

私は、実に危ない大酒のみでありますが、深夜までやっているといえども勤務中には飲まなかった(その後に勤めた別の会社では、状況が変わりましたが)。できるだけ早く帰宅したいと、大慌てで仕事をする。電車に駆けこむ。という日が大部分でありました。

そうすると、車内が酒臭いのですね。かなり。自分自身が大酒のみで、ありていに言えば周囲に迷惑をかけたことも数限りないのですから、そのこと自体に文句をいうつもりはありません。ただ、気づいたことがありました。

少し早めに帰ることもある。でも、午後10時ごろになれば、車内に酒臭さが漂い始める。11時なれば、もっとだ。時間が遅くなればなるほど、それに比例して酒臭さが増す。それはもう、見事な相関関係です。その日最後の電車でピークになる。

当たり前のことですけどね。ただ、当たり前のことを体感したことで、理屈だけでは無理な、真実の体得ということが可能になります。これが、「悟り」ということですかね。

私が得た「悟り」は、次の一語に集約できます。

<最臭電車>

ええと。馬鹿馬鹿しい一席にお付きあいいただき、ありがとうございました。おあとがよろしいようで。テケテンテン、テンツク、テンテン……

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