重慶の政変、激震はさらに進行中か…共産党大会に出席する代表、異例の大幅入れ替え

孫政才書記(写真1枚目)の失脚に端を発した重慶市の政変が、現在も続いている可能性が出てきた。重慶市共産党支部は5月24日、秋の共産党全国代表大会(共産党大会)にする代表を43人選んだが、新華社が9月29日に発表した名簿では、少なくとも14人が代表資格を取り消されたことが分かった。

 

共産党大会は5年に1度、秋に開催されることが恒例になっている。前回・第18回党大会は2012年に行われ、習近平氏の総書記就任しが決まった。5年後の今年は10月18日に第19回党大会を開幕することが決まった。習総書記は留任が確実だ。

党大会での投票権を持つ議員は「代表」と呼ばれる。まずは党大会が始まる数カ月前から、全国の省レベル行政区(省、中央直轄市、民族自治区)や解放軍、中央政府・関連機関などの共産党支部がそれぞれの「代表」を選出し、共産党中央に提出する。共産党中央は大会が近づくと、全から寄せられた代表の名簿を元にした代表全員の名簿を発表する。今回の党大会代表名簿の発表は9月29日で、合計2287人だった。

党大会に出席する代表全員については、当初発表の名簿ではどの地域または組織で選出されたかは記載されておらず、同姓同名の者がいた場合にのみ、<李偉(北京)>、<李偉(四川)><李偉(中央国家機関)>のように付記される。選出地域または組織別に整理された名簿は、後日発表されることになっている。

また党中央は省などが決めた大会出席者を拒絶する権利を留保している。代表全員の名簿発表時にも「代表資格は随時、代表資格審査委員会が確認する」と付け加え、問題が発覚すれば資格抹消もありえることを示唆している。

しかし今回の党大会で、重慶市の代表選びは異常だった。同市共産党支部が5月24日に決定した出席者43人のうち15人が代表全体の名簿に氏名がなかった。つまり、当初予定の3割以上が代表資格を取り消されたことになる。うち1人は7月下旬に失脚した委員会前書記の孫政才氏だが、重慶市における「政変」は孫氏に終わらず、未発表の形で続いてきたことになる。

重慶市における共産党の最高幹部層である共産党同市委員会常務委員も、6人が共産党大会の代表になれなかった。この6人に、7月下旬に失脚した委員会前書記の孫政才氏を加えると7人になる。孫前書記は9月29日付で、党籍剥奪と公職からの追放が決定した。

6人のうち杜和平常務委員は、5月24日発表の名簿にも記載がなかった。曾慶紅(写真2枚目)、王顕剛、劉強、陳緑平、陶長海の各常務委員は5月の名簿には記載されていたが9月29日発表の名簿からは抹消された。いずれも現在のところ、理由は不明だ。

曾慶紅常務委員については9月30日付で重慶市委員会を離任したことが発表された。曾氏はすでに、腐敗問題で取り調べの対象になっているとの観測もある。曾氏は元副首相の曾慶紅氏と同姓同名の別人で、1962年生まれの女性だ。中国では「曾慶紅元副首相は習近平政権の腐敗撲滅運動の重要ターゲットの1人」との噂も根強いことから、重慶市委員会を離任した曾氏については「女版曾慶紅」との言い方もされている。

中国国外に拠点を置く反中国政府系メディアは、9月30日ごろから、中国共産党大会での「重慶市代表」の問題を扱い始めた。中国ではほとんど報道されていない。

新興メディアだが政権中枢部と特殊な関係があるとされる中国メディアの財新は9月30日に同問題を扱う記事を掲載したが、日本時間10月1日午前9時ごろまでに、同記事は閲覧できない状態になった。(編集担当:如月隼人)

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