中国共産党大会に台湾出身の盧麗安氏が代表として参加、台湾政府は「違法行為の疑い」と指摘

台湾・高雄市で1968年に生まれた盧麗安氏が、18日に始まる第19回中国共産党全国代表大会(共産党)に「代表(議員)」として出席することが分かった。台湾政府は法律違反の疑いがあるとの見解を示した。

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)や共産党大会には、各省(中央直轄市、民族自治区)ごとの「代表団」が組織され、会議に臨む。中華人民共和国(中国)はこれまで台湾を実効支配したことがないが、中華人民共和国政府は「台湾を含む全中国の唯一の合法政府」であり、共産党は中国唯一の執政党との建前もあり、全人代や共産党大会では毎回、「台湾代表」が出席してきた。

しかし全人代や共産党の「台湾代表」は現在までに、戦前から戦後の比較的早い時期に台湾から移ってきた人の子孫の世代になっている。したがって、「台湾社会での生活を体験していない人が台湾を代表する」という奇妙な構図になっていた。

第19回共産党大会に「代表」として臨む盧氏は、1968年に台湾南部の高雄市で生まれた女性。86年に国立政治大学(台北市)に入学し、英語学を専攻。91年からは英国に留学し、99年にはグラスゴー大学の博士号を取得。留学中に「上海籍の台湾同胞」と結婚したとされる。

盧氏の夫については詳しく報じられていないが、台湾で施行されている戸籍では、大陸生まれで台湾に渡ってきた人(第1世代外省人)は「北京人」のように、従来からの籍貫(本籍)が適用され、例えば「北京人」とされる。一方で、大陸から渡ってきた家庭の子でも台湾生まれである場合には「北京裔台湾人(北京人の子孫の台湾人)」とされる。年齢から考えれば盧氏の夫が第1世代外省人とはあまり考えられず、台湾から大陸に移って上海戸籍を取得した男性の可能性がある。

盧氏と夫は1997年から、上海にある名門大学の復旦大学で教職に就いており、夫は同大学の教授とされる。

第19回共産党大会には盧氏以外にも9人の「台湾籍代表」が出席するが、いずれも大陸生まれ。新浪網など大陸メディアは盧氏の共産党大会出席について「台湾生まれ・台湾育ちの台湾人として初めて」と評した。

台湾の行政院(台湾政府)大陸委員会は4日の時点で「台湾人民は中国大陸側の戸籍の取得や旅券の使用ができない。違反した場合には台湾人民の身分を失う」(両岸人民関係条例第9条-1)、「台湾人民は禁止が宣言されている中国大陸の党務、軍事、行政、政治性機関、団体の職務をおこなったり成員になることができない」(同条例第33条第2項)として、盧氏が共産党大会に出席するのは違法行為との見解を示した。

大陸委員会の陳小月主任委員はは5日になり、盧麗安氏はこれまでに大陸側が発行した身分証で数度、台湾を訪問していると説明。「彼女がそのような身分を選択したなら、われわれは彼女の選択を尊重する」と述べた。(編集担当:如月隼人)

 

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Posted by 如月隼人