中国で“将軍”と女性“大佐”を逮捕…軍人騙る詐欺事件多発、3カ月で270人を摘発

中国中央電視台(中国中央テレビ)などによると、中国で自らを軍人と騙る詐欺事件が多発している。中央軍事委員会と公安部(警察庁)は7月から10月にかけての約3カ月にわたり集中取り締まりを行い、270人余りを摘発した。男女2人がそれぞれ“将軍”と秘書の“大佐”と称して、「軍籍を与える」と持ち掛けて1500万元(約2億5000万円)を騙し取った事件もあったという。

男女2人による事件では、男は戦略支援部隊の将軍であり、女は「忠誠衛士基金会」の秘書長と称した。2人は軍籍を持たない人に軍籍を与える仕事をしているとして、「1500万元を支払えば、直接、将校にすることができる。階級は大佐だ」などと持ち掛けたという。

 

2人が宿泊していたホテルの部屋からは、身分を詐称する名刺や携帯電話5台などが見つかった。携帯電話には軍服姿の写真も記録されていた。さらに自宅を捜査したところ、偽の軍服10箱分と軍服につけて階級を示す胸章や肩章などが見つかった。2人は「忠誠衛士基金会」のウェブサイトも開設していた。

容疑が持たれている詐欺事件についての詳細は伝えられていないが、中国メディアの新京報は「詐欺を実施」と記述した。

新京報によると、3カ月による集中取り締まりで270人以上が身柄を拘束された。偽の軍服や軍用銃、標識、「軍隊専用」と表示された各種物品は合計で1万5000点以上に達した。

また、「中央軍事委員会紀律委員会紀律検察局副局長」であり階級は「少将」と、軍規を取り締まる高級将校を騙って詐欺行為を行い、身柄拘束時に偽の軍服を着用していた者もいた。

 

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◆解説◆
偽軍人による詐欺事件で興味深いのは、習近平政権が強力に推し進めている腐敗撲滅との関係だ。詐欺とは一般に、相手に「恩恵」を与えると見せかけて、金品などを騙し取る犯罪だ。偽軍人は相手に対して、「自分の地位を利用すれば、特別の恩恵を与えることができる」と持ち掛けたと考えられる。「特別な恩恵」とは正規の方法では取得できない利益であり、つまり不正による利益獲得という「おいしい」話ということになる。

習近平政権は腐敗撲滅の成果を大々的に宣伝しつづけている。一般人からも、多くの役人が「疑われたのではまずい」と考え、行動に注意しているとの指摘を聞くことができる。「いろいろな手続きで担当者が、『てきぱきと仕事をこなすと何か受け取ったかと疑われる』と恐れ、仕事をわざとのろのろとこなす。実に困った」との声を聴いたことがある。

しかし、軍人を装った詐欺事件が多数存在することは、「軍人が不正行為に手を染めてもおかしくない」と考える人が多いことを意味する。中国では、一般公務員に対するよりも軍人に対する信頼度の方が高い。その軍に対しても「腐敗体質は消えていない」と判断する人が相当数存在していることになる。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人