中国外交「面子丸つぶれ」…トランプ大統領がイラン核合意「認めない」

トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスで演説し、米英仏独中露の6カ国およびイランが2015年に結んだ核合意について、イランが順守しているとは「認められない」と表明した。今後、核合意の放棄に進むことが視野。15年の合意については中国が大きな役割を果たし、合意後にはオバマ大統領も習近平国家主席に電話で感謝の意を伝えたとされる。米国の合意放棄は、中国外交の面子(メンツ)をつぶすことにもなる。

 

トランプ大統領は核合意について「米国が結んだ最悪で一方的な取引だ」と改めて主張。イランは核合意に複数回違反した」と非難。違反事例としては重水の保有や国際原子力機関(IAEA)の査察拒否などを挙げた。

また、とりあえず合意の枠組みは維持するが、議会に制裁について検討するよう求め、制裁が実施できないようならば「核合意を破棄する」との考えを示した。

2015年の合意時に中国が大きな役割を果たした背景には、中国とイランの「特殊」な関係があった。中国はイランが人権弾圧や核兵器開発で西側諸国に批判されるようになっても、自国外交の大原則そしている「平和五原則」中の「内政不干渉」を理由に、イランとの密接な関係を続けた。

「平和五原則」中の「内政不干渉」とは本来、「社会主義国である中国も、資本主義国である欧米などと平和共存ができる」との主張だが、改革開放後の中国は拡大解釈して「相手国の体制は相手国の内部事情であり、中国は問題にしない」との主張とした。中国は「内政不干渉」を理由に、イランだけでなくカダフィ政権下とのリビアとの関係も強化。西側諸国が「手を引く」状況の中で石油資源の入手先とした。

核兵器開発を理由として制裁を強化されたイランは西側諸国、特に米国への不信感を高めたが、中国に対する信頼は比較的厚かった。中国は緊張が高まる中でイランへの説得工作を続けた。2015年の合意達成について、中国の貢献が大きかったことは間違いない。

一方で、イランについての合意達成は中国にとって、自国の外交方針が世界の安定に貢献ことを示す論拠のひとつにもなった。国内向けにも、米オバマ大統領が電話会談習主席に感謝したことを、共産党政権の権威づけのために利用した。

したがって、トランプ大統領により2015年合意が失効することは、自国外交の面子がつぶされたことも意味する。

中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は13日の記者会見で同問題について質問を受け、「イランの核問題についての中国の立場は一貫している。イラン核問題についての合意は、国際的な核不拡散隊形を維持し、中東地区の安定なために重要な効果を発揮している。われわれは、各方面がイラン核の問題についての合意を維持し、実効するように希望する」と述べた。

イランの核問題に関する米国の動きにより、中国がトランプ政権に対する警戒感を一層強める可能性がある。(編集担当:如月隼人)

【関連】
トランプ水着、プーチン水着にジョンウン・シャツ 米アパレル会社が発売、強烈すぎて驚きの声

米国がユネスコ脱退へ、中国メディアは「5億ドル未払い」を強調、ネットでは「国連からも脱退を」の声