キーワードは「党の指導」「新時代における中国の特色ある社会主義」…習近平報告の全訳<中間報告>

中国共産党の習近平総書記(国家主席)が18日に始まった同党の第19回全国代表大会(党大会)で発表した前回党大会からの5年と、今後の共産党の方向性を示した「報告」の全訳に取り組んでいます。何しろ分量が多く党大会終了前に終わらないというみっともないことになります。そこで、気づいたことを<中間報告>します。

とにかく、強烈です。キーワードは「党の指導」と「新時代における中国の特色ある社会主義」。「党の指導」などの表現は、使い方の解釈の違いでどうカウントするかによっても異なってきますが、前回2012年の党大会で胡錦涛前総書記が行った報告における29カ所から、53カ所へと激増しました。

それから「中国の特色ある社会主義」の言い回しも多い。この言い方そのものは、胡錦濤報告が80カ所、習近平報告が72カ所と減少したのですが、主張していることは極めて「強烈」になりました。「新時代の中国の特色ある社会主義」のように、「新時代」という語と結びつけて、「これでもか、これでもか」というように、「党の指導」を強調しています。

共産党としての公式文書ですから、「人民を中心とする」といった表現も多いのですが、中国共産党の使う「人民」の用語には注意する必要があります。「共産党に異を唱える者は人民に含めない」といった発想が強いからです。

習近平報告では例えば「人民の軍」を強調する一方で、「党が新時代の強軍の目標とするのは党の指揮に従い、戦って勝利することができ、気風の優良である人民の軍隊の建設」「党・政府・軍・民間・学問のすべての方面で、党は一切を指導」なんて部分があります。「人民を中心」といった表現があっても、その人民は「党の指導を受ける存在」というロジックは明白です。

習近平氏が今回の党大会を機に、さらに強力な権力構造を作る意向であることは間違いありません。党大会の閉幕が近づき、注目ポイントは「党主席の地位を復活させるか」「党規約に『習近平思想』などの文言を盛り込むか」「腹心である陳敏爾その他の地位をどうするか」などです。

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Posted by 如月隼人