中国・国家副主席が「失脚する」との見方…李源潮氏、2カ月ぶりに公開された映像に精気なし

中国の李源潮国家副主席が、失脚を含めた何らかの異変に遭遇しているとの見方が出ている。李副主席は2017年10月の共産党大会以来、2カ月ほども公の場に姿をあらわさなかった。12月29日に北京市内で行われた年末茶話会には出席したが悄然として精気のない様子が目立った。
17年10月の共産党大会は第19期となる党トップの総書記、さらに中央政治局常務委員、中央政治局委員、中央委員などを選出した。中国共産党上層部は5年に1度の党大会の際に68歳以上である場合にはこれらの役職から退くことが習慣になっている。李氏はそれまで中央政治局委員(非常務)であり、67歳と「定年前」だったが、19期の名簿からは名が消えた。
 
そのため、李氏は国家副主席の任期が終了する18年3月で「完全引退」するとみなされていた。
 
ところが共産党大会終了後、李氏は公の場に姿を見せることがなくなった。党と政府の重要な会議である中央経済工作会議や、トランプ米大統領が訪中した際の歓迎宴や香港の林鄭月娥行政長官が北京を訪れ習近平国家主席と会談した際などの重要な儀式でも出席が伝えられなかった。
 
12月29日に北京市内で行われた年末茶話会には出席したが悄然として精気のない様子が目立った。中国国外の華字メディアは「まるで悪さをした子どものようだった」などと表現して注目した。
 
李氏は胡錦濤前国家主席とつながりの深い派閥(団派)の有力な一員。父親の李幹成氏が上海市副市長も務めた共産党幹部だったという点では、いわゆる「太子党」。さらに、李幹成氏は江沢民元国家主席のおじである江上青氏と親交があったとされる。
 
李源潮氏は、「太子党」の中では「クリーンな存在」とされていたという。ジャーナリストの福島香織氏は著書、「『中国の悪夢』を習近平が準備する」の中で「彼が失脚しなければならないなら、ほかの太子党員は全員失脚」といった言い方を紹介している。
 
ただし、李氏が習近平政権にとって権力闘争のターゲットになっていたのは間違いなく、さまざまな噂も出ていた。12月には李氏と李氏と関係のある上海の財団が、海外投資について調査を受けているとの報道もあった。
 
中国にはかつて、中央政治局常務委員を務めた者に対しては引退後であっても腐敗などの責任を追及しないとの「了解」があった。しかし習近平政権が発足後、周永康前常務委員が汚職などで逮捕され無期懲役が確定したため、「了解」はすでに崩れたと見られている。李源潮氏だけでなく、他の前・元常務委員の立場にも大きな異変が発生する可能性がある。(編集担当:如月隼人)

【関連】

公務員や党員を厳格に監督管理「不倫もダメ」と念を押す―中国共産党

胡春華氏が広東省書記から離任、改めて習近平氏への「全面服従」を誓う