中国でロック雑誌が休刊…上部からの口頭指示、「復刊の場合にも一般販売は認めず」

河北省石家荘市で30年以上にわたり発行されてきたロックを中心とするポップ・ミュージックを紹介する月刊誌「通俗音楽(トンスー・インユエ)」が休刊された。同誌編集部は発行を所管する河北省藝術研究所から口頭で通達されたと発表した。復刊もありえるが、ロック音楽関連の内容は認めず一般販売もできないと告げられたという。
編集部によると、休刊の理由は綱紀粛正の「一問責、八清理(ひとつの問責、8つの整理)」の一環と説明されたという。「一問責」とは党管理における欠陥や主体責任の欠如、規律違反などを厳しく処罰・処分するもの。「八清理」とは公費による出国、公費による観光、不当な金銭徴収などを挙げ、厳しく取り締まる運動を指す。「通俗音楽」は、雑誌発行の資格も問題視されたという。
 
休刊に伴い、編集部員は全員解雇された。「廃刊ではなく休刊であり、責任者の会議により復刊が認められた場合には旧編集部関係者に通知するが、河北省芸術研究所の内部刊行物としての復刊でありであり、ロック音楽関連の内容は認めず一般販売もできない」と告げられたという。
 
編集部発表によると、芸術研究所の担当者は当初、研究所名義で休刊の経緯を説明する公告を発表すると述べ、編集部に「しばらくは発言しないように」と伝えていた。編集部側はその後、2カ月間に渡り公告を発表するように求めていたが発表されないままなので、自ら休刊を表明したという。
 
そのため、すでに印刷を終えた2017年10月号と制作中の11月号の出版もできなくなった。また、編集部が通販サイトに求めた公式ショップでの販売も停止した。
編集部は、以下の文章で休刊表明を結んだ。
--------------------—
「通俗歌曲」は2016年末で、創刊30年を迎えました。創刊以来、問題を起こしたことはなく、(政治的に)敏感な言葉も避けてきました。ところが2017年末になり、正式にしっかりと終わりを告げることもく、このように声もなくひっそりと消滅するとになりました。
 
誠に遺憾ではありますが、私どもは長年にわたり関心を持ち支持してくださった「通俗歌曲」誌の読者と音楽関係者の皆さんに心から感謝申し上げます。中国のロック音楽に輝ける素晴らしい未来を持てるよう、祈っています!
--------------------—
◆解説◆
「通俗歌曲(トンスー・ゴーチュー)」は1986年創刊の月刊誌。国外の流行音楽やロックの新な潮流を紹介してきた。優秀な音楽作品だけでなく、制作技術や先進的な音楽理念の紹介にも力を入れてきた。
なお、中国では「通俗」の語が「ポップス」の訳語として用いられている。(編集担当:如月隼人)

【関連】

習近平氏がサンタクロースと会談していたと判明、証拠写真が出回る…クリスマス抑圧の中国共産党

1万人以上が学ぶチベット仏教の聖地「ラルンガル・ゴンパ」を中国当局が破壊 信者が懸念することは?