奄美沖で爆発・沈没したパナマ船籍タンカー、中国専門家「長期にわたり環境に影響」

奄美大島の西300キロメートル付近で14日午後に沈没したパナマ船籍のタンカー「SANCHI」について、大連海事大学の厳志宇准教授は中国メディアの中国科学報の取材に応じて、「非常に心が痛む」、「船舶は沈没してしまえば、流出する油の制御がさらに難しくなる」などと述べた。
SANCHIはイランで原油を積み、韓国に向けて航行していた。6日午後8時50分ごろ、上海の東沖約290メートルの海上で香港船籍の貨物船と衝突、火災を起こして漂流しはじめた。SANCHIはその後、南東方向に約280キロメートル流され、14日午後に日本の排他的経済水域内の奄美大島の西300キロメートル付近で沈没した。
 
SANCHIの乗組員はイラン人とバングラティシュ人32人で、うち3人は遺体で発見された。残り29人は行方不明。沈没場所の海面ではすでに、10平方キロメートル程度にまで油が広がっているという。
 
厳准教授は「最も恐れていた沈没という事態になった」と説明。沈没後も船体からは油が漏れ続ける。海水に流されて拡散しながら浮上するので海上で流出した油よりも制御が困難で、影響を受ける範囲も広がるという。
 
SANCHIから流れ出た油は、現在も海面で燃えている。厳准教授によると、燃やしてしまうことは海面の油を減らすひとつの方法ではあるが、マイナス面もある。まず、大気汚染を引き起こすおとで、さらに、燃焼の残留物が周囲の漁場や養殖場の汚染を引き起こすことがあるという。厳准教授は「近くで漁獲された海産物の検査を強化すべきだ」と述べた。
 
厳准教授は、SANCHIからの油の流出はゆっくりと進むので環境への影響は長期に及び、対策には困難がともなうとの見方を示し、「万全な方法はない。われわれが掌握できる範囲内で、危害を最小限にするしかない」と述べた。(編集担当:如月隼人)
 

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Posted by 如月隼人