インド国内にある中華民国軍人の墓地、中国が「観光スポットにせよ」と要求・台湾は猛反発

台湾メディアの中央通訊社は15日、インドメディアを引用して、インド東部のジャールカンド州ランガルにある第二次世界大戦当時に同地で命を落とした中華民国軍人の墓地について、中国側が観光スポットにするよう現地当局に要求したと伝えた。台湾側は強く反発している。
第二次世界大戦中、中華民国は連合国の一員として、ミャンマーに「遠征軍」を派遣して日本軍と戦った。1942年には「遠征軍」の一部を「中国駐印軍」としてインドに派遣した。44年12月には、同軍の司令官だった鄭洞国軍長が現地で命を落とした将兵のために墓地を使った。
 
墓地は長らく荒れていたが、広東華僑の張其勇氏の努力もあり、1982年には新たな墓地が完成した。墓地名は当初「インド・ランガル中国抗日遠征軍烈士公墓」だったが、その後、「中華民国駐印軍ランガル公墓」に変更された。
 
記事によると、中国駐コルコタ(カルカッタ)総領事館の馬占武総領事ら中国外交官5人が12日、現地を訪れ、「中国はジャールカンド州政府に、ランガル公墓を観光スポットにするよう正式に要求した」と述べた。
 
台湾側の田中光駐インド代表は15日、「ランガル公墓に葬られているのはすべて、わが国軍人であり、すべて中華民国国民だ」「公墓の修築や維持、管理は、すべて中華民国政府がインド政府の同意を得て進めた」として、墓地についてのいかなる変更も、中華民国政府の同意が必要だと述べた。
 
田代表はさらに、「観光スポットに変更することは墓地の厳粛な歴史的意義を貶めるもので、極めて不適切」と中国側の主張に反発した。
 
ランガル公墓には中国国民軍の将兵667人が葬られている。うち、氏名が明らかなのはわずか40人。中華民国国防部(台湾国防省)は2011年から12年にかけて公墓を改修した。台湾の駐インド代表は毎年春と秋、人員を派遣して慰霊祭を行ってきた。
中国側は同公墓に無関心だった。しかし2015年11月には台湾側に通知せずに、大量のスタッフがインド側の武装人員を伴い、公墓に立ち立ち入った。中央通訊社は「大陸当局は近年、抗日戦についての(中華民国側の)発言権を奪い取ろうとしている」との見方を示した。(編集担当:如月隼人)

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