女子高生が高さ7mのパイプから飛び降り、体張って受けとめた警察官が重傷=湖北

湖北省メディアの楚天都市報によると、同省十堰市で15日午前、女子高生が河川敷の上に渡された地域暖房用のパイプから飛び降りた。パイプの下で降りてくるよう説得をしていた魯志学警察官(55歳)がとっさに受けとめた。女子高生は無事だったが、魯警察官は右足を骨折するなど重傷を負った。
警察に、「若い女性が地域暖房用のパイプの上に座っている。自殺を考えているようだ」との通報があったのは午前10時29分だった。魯警察官は当番を終え引き継ぎをしていたが、ただちに同僚と共に現場に駆けつけた。保護の対象が若い女性であることを考え、魯警察官は署内にいた若い女性警察官2人にも出動を求めた。
 
パイプは道路から2メートルほど上に伸び、河川敷に向けて水平に通されている。女性は道路からよじのぼり、パイプを進んで河川敷の上で座り込んだと判断できた。
 
河川敷からパイプまでの高さは約7メートルだ。河川敷はコンクリートで固められている。現場に到着した警察官はまず、集まっていた人々を遠くに引き下がらせた。
 
そして、道路側から最初は男性警察官が「降りてきて、どんな事情か聴かせてくれ」などと声をかけた。魯警察官も、「どんなに困ったことでも、解決できるものだよ。ゆっくり戻って来なさい」などと説得したことが、携帯していた公務執行時記録器に録音されていた。
 
魯警察官は、パイプの上の女性に反応がないのを見て、女性警察官に説得を試みさせた。魯警察官自身は「万一のこと」を考え、河川敷に下りて待機した。同時に、パイプの上の女性が衣服が市内にある高校の制服と判断し、学校にも連絡した。
学校責任者も駆けつけ、女性を特定。すぐに保護者にも連絡した。
 
女性警察官らは、「私たちも卒業したばかりよ。あなたの気持ちを理解できると思う。下に着て、お姉さんと話をしてみましょう」などと呼びかけたが、パイプに座った女子高校生は無言のままだった。
 
パイプに座った女子高校生が突然、大声で泣き出した。次の瞬間、飛び降りた。上を見上げていた魯警察官は、とっさに駆け寄った。両手を広げて受けとめる。体全体に激しい衝撃が伝わった。2人も転倒した。魯警察官は下敷きになった。
 
魯警察官は当時の様子を「考えている余裕はありませんでした。怖いとも思いませんでした。体が本能的に動きました」と説明した。
 
魯警察官は衝撃で気を失った。すぐに意識を取り戻したが、最初に倒れている女子高校生の様子を確認した。大きなけがはしていないようだった。その時になって右足が鋭く痛むことに気が付いた。駆けつけた同僚が魯警察官を助け起こそうとしたが、立つことができなかった。
 
魯警察官は病院で右足骨折などの重傷と診察され、治療を受けることになった。
医師によると、魯警察官が受けとめていなかった場合、女子高校生は脊椎などに重大な損傷を受け、障害が残ったり、悪くすれば命を失ったかもしれないという。
 
魯警察官はこれまでも、家出をして十堰市の飲食店で奴隷的労働をさせられていた未成年を救出し、そのその際に負傷したことがある。2006年には、勤務を終えて帰宅中に挙動不審な若者を見つけ追跡を開始。相手が走りだしたので自らも1キロメートル以上を走り、疲労して動けなくなった相手の身柄を確保した。調べたところ、相手は窃盗容疑の疑いで捜査対象だったグループの一員と分かったという。
 
負傷した魯警察官はさらに、「子どもは、どの家庭にとっても希望ですからね。私にも同じ年頃の子がいますから、とにかくなんとかしたいと思いました」「警察官だって普通の人です。人の子であり、人の親です。もし現場にいたのが別の警察官でも、私と同じようにしたはずです」などと述べた。
 
魯警察官の妻は、夫が負傷したとの連絡を受け、病院に駆けつけた。これまでにも負傷の連絡を受けたことがあるために「聞かなくても、勤務時の負傷と分かりました」という。
 
妻は取材に応じて、眼を赤く腫らしながら「あの人は、仕事熱心なんです。それに、他人事に首を突っ込むのが大好きで」「そんなあの人を自慢に思っています。でも、いつも驚いてしまうし怖くなります」などと説明した。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人