北朝鮮に石油売却の疑いの台湾実業家が自殺未遂、「中国にはめられた!」…言動を疑問視する声も

海上で北朝鮮船に石油を引き渡した疑いが持たれている台湾人実業家の陳世憲氏が19日午前、大量の睡眠薬を服用して自殺を図った。陳氏は病院に運ばれてから1時間ほどで退院をした。車椅子を使用したが意識ははっきりしている様子で、集まったメディアに対して「中国にはめられた!」などと叫んだ。台湾では陳氏の行動に「演技だ」などとする声が出ている。
陳氏は高雄市で高洋漁業公司を経営している。米軍無人機の観察により、陳氏は2017年10月に香港船籍の貨物船を借り、公海上で北朝鮮船に石油を引き渡した疑いを持たれている。台湾検察は陳氏を取り調べ、150万台湾ドル(約546万円)の保釈金と引き換えに、釈放した。
 
台湾メディアの中央通訊社によると、19日午前に陳氏の家族から、陳氏が大量の睡眠薬を服用して自殺を図ったとして、救急車出動の要請があったが、しばらくして家族で処理すると要請の取り下げがあった。陳氏が病院に到着したのは午前10時40分ごろだったが、午前11時50分ごろには病院を離れた。
 
医師は、病院にとどまって観察と処置を継続するよう提案したが、家族の考えで病院を離れたという。
 
陳氏は車椅子を利用したが意識ははっきりしている様子で、集まった記者らに「中国にはめられた!」などと何度も叫んだ。さらに、「あんたら台湾人は仲間を傷つけるだけだ。私を破滅させようとし続けている」「メディアは報いを受けるからな」などと発言した。
 
陳氏の家族は陳氏の発言を遮ろうとし、取材陣の撮影からも避けようとした。
 
陳氏はこれまでに、石油を公海まで輸送したことは認めているが、積み替え後に北朝鮮に運ばれることは知らなかったと主張している。病院から出てきた後にも「あんな奴ら(北朝鮮人)と商売ができるわけがないだろ」などと叫んだという。
 
台湾政府・法務部によると、陳氏及び関連会社は行政処罰に対して異議のある場合には、30日以内に救済願いを提出できるが、陳氏は19日時点でも提出していない。
 
台湾メディアの蘋果日報(アップル・デーリー)によると、台湾のネット民の間では陳氏の行動や発言に対して「演技過剰だ」「8割ぐらいは同情を得ようとするカードだ」「今、夜8時か? 韓ドラをやっている時間か?」など、批判的または懐疑的な見方が強いという。(編集担当:如月隼人)

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