中国で出生人口も出生率も前年比減…「産む人は産む、産まない人は産まない」の現実

中国・国家統計局によると、2017年における中国全国の出生人口は前年比63万人・3.5%減の1723万人、人口1000人当たりの出生数を示す出生率は同0.52パーミルポイント減の12.43だった。一方で、「2人目の子」の出生は増えており「産む人は産む、産まない人は産まない」の構図が鮮明になった。格差問題や価値観の多様化が背景にあると見られる。
中国は2016年1月1日に夫婦1組に対して2人目の子の出産を認める「全面二孩」の政策を導入した。国民に、政府の定める「計画出産(産児制限)」に従う義務を課すことに変化はないが(憲法にも明記)、出生数の低下が労働力の減少や急速な高齢化に結びついていることを考慮し、それまでの厳しい「一人っ子政策」は緩和した。
初年度の16年における出生数について、政府や専門家は前年より400万-800万人の増加と予想していたが、約131万人増の1786万人にとどまった。「2人目の子」の出生が伸びなかったことが原因だった。
2017年の「2人目の子」の出生は前年比162万人増の883万人だった。出生全体に占める割合は前年を11ポイント上回り51.2%と、半数以上になった。2018年の「2人目の子」の出生数は17年と同じ水準で、それ以降は緩やかに減少すると見られている。
17年の出生数全体では、「1人目の子」の出生の減少幅が大きく、「2人目の子」の増加が埋め合わせるに至らなった。
17年の出生関連統計を見る限り、「2人目の子を望む男女カップルが増える一方で、1人目も産もうと思わないカップルも増えた」傾向は明らかだ。
子を持つことを望まない人が増えた理由としては、子どもの養育費・教育費の負担を厳しいと判断したり不安を感じる人が多いことが挙げられている。格差問題が出産数にも影響を及ぼしていると言える。さらに、出産や育児が仕事に影響を与えると考える女性が増えたとの指摘もある。
さらに、子を持つことに熱意が持てない若い人が増えたという、価値観の変化も影響しているとの見方もある。
 
一方で、2人目の子を望む人が増えているのは、「多くの子を持つ」ことを重視する伝統的な価値観を持ち、かつ、家計が養育や教育などの負担に耐えられると判断する人が、一定以上の割合で存在することを示すと考えられる。
2017年における中国の出生統計からは、子育て世代の格差問題と価値観の多様化が見えてくる。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人