マンション群のエレベーター18基、検査結果は「合格率ゼロ」…故障・事故が続出

中央人民広播電台(中国中央人民ラジオ)によると、福建省厦門(アモイ)市内にあるマンション群で、エレベーターの度重なる不具合が問題になっている。エレベーター18台の検査結果では「合格率がゼロ」だったという。
 
アモイ市集美区にあるマンション群の蓮花新城の2015年9月に入居が始まった第2期分の建物で、エレベーターの呼称が多発し「朝に修理すれば午後に故障、午後に修理すれば翌日に故障」といったケースも珍しくないという。17年12月には修理中のエレベーターが動き出して体をはさまれた作業員1人が死亡する事故も発生した。
 
さらに、市当局が17年8月に実施したマンション群のエレベーター18基を対象とする検査の結果について「すべてのエレベーターが不合格」だったことを示す通知書の存在が明らかになり、住民の不安はさらに高まった。30階以上の部屋に住んでいても、エレベーターの利用をためらう人もいるという。
 
マンション群を開発した厦門市東区開発公司の関係者は「われわれは国有企業であり、エレベーターはすべて公開入札したもので(解説参照)、基準に適合した合法的な製品だ。問題はない。設置したエレベーターはスイスの有名ブランドメーカーの製品。世界的にも上位にランクインする企業」などとして、エレベーターの品質には問題がないと強調した。
 
中国のマンションは一般的に、販売時には内装工事が行われておらず、入居者が自らの考えで内装を行う。上記関係者は「内装の際に運び込む土砂などが落ちて、エレベーターの不具合を起こしている」と主張した。
 
しかし住民側は内装工事が原因で故障が多発するとの説明に納得していない。住人のひとりは「現在の入居率は20%程度。内装工事をしている部屋は多くない。内装工事が原因による故障はあるだろうが、主な原因ではない」と述べた。
 
アモイ市当局の関係者は「2017年に発生したエレベーター故障は14件だった。それ以前には1カ月に40から50件も故障が発生していた。現在は、故障が大幅に減った」と述べた。
 
同関係者はエレベーターの保全補修スタッフに問題がある可能性を指摘。保全補修スタッフは2人で、2017年の検査時に、1人は資格を得てから2カ月で、1人は資格を持っていなかったという。エレベーターの管理維持には経験の蓄積が必要で、新人のスタッフだけでできる仕事ではないという。
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◆解説◆
中国では手抜き工事が繰り返し発生している。施工業者が、定められた建材より安価な製品を使用するなどで工事費用を切り詰めて不当に利益を得ることが原因だ。公共事業などでは、業者が役所の担当者や責任者に贈賄することで手抜き工事を見逃してもらう事件も発生している。
 
マンション群の開発工事の関係者は、エレベーターは公開入札したとして、特定の業者と結託して安価な製品を採用したのではないと表明したことになる。
 
1998年9月には、江西省九江市で完成したばかりの堤防が決壊して大きな被害が発生した。現地を視察した朱鎔基首相(当時)は激怒して、「豆腐渣工程(ドウフヂャー・ゴンチョン=おから工事)」「王忘蛋工程(ワンバーダン・ゴンチョン=馬鹿野郎工事)」と罵った。そのため中国では、手抜き工事が「豆腐渣工程」と呼ばれるようになった。日本では「おから工程」と紹介される場合が多い。
 
なお、中国では高品質の機材や設備を導入していても、管理や維持がしっかりと考慮されないことが原因のトラブルもよく発生している。組織上層部の予算決定権を持つ者が、「一流品の採用」には積極的だが、維持の大切さには無理解な場合が多いことが背景にあるとされる。(編集担当:如月隼人)
 

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Posted by 如月隼人