中国では7億人・人口の6割近くがピロリ菌に感染、中国式食事も高リスクの一因

中国中央電視台(中国中央テレビ)は29日、中華医学学会の調べで中国人の59%、約7億人がヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染していると紹介する記事を発表した。
記事はまず、国際がん研究機関 (IARC)は1994年に、胃がんについて発がん性リスク一覧のグループ1にピロリ菌感染を追加したと紹介。グループ1とは5段階あるグループの中でも「人に対する発がん性が認められる」と、最も深刻なリスクがあることを示す。
 
記事は続けて、ピロリ菌に感染しても70%の人には症状がでないので、治療(除去)の必要はないと紹介。ただし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者、早期の胃がんで手術を受けた人などの例を挙げて除去の必要があるとした。
 
ピロリ菌の除去については、1つの方法で失敗しても別の方法を試すことができると紹介。中国では「ピロリ菌を根本的に除去することはできない」と思っている人がいるが、除菌そのものに失敗するよりも、再感染する場合が多いと指摘し、生活習慣の改変が極めて重要と論じた。
 
生活上の注意の筆頭としては、家族にピロリ菌感染者がいる場合には食事の際に、料理を最初から取り分けておくか、大皿から自分の皿に移す場合でも「取り箸」を使うべきで、自分の箸で相手に料理を取り分けてはならないと説明した。また、食器を定期的に消毒することも大切とした。
 
中国では複数人数で食事をする際に、大皿に盛った料理を各自が皿に取って食べるのが一般的だ。家庭での食事や会食の際でも相手に親しみを示す場合には、自分の箸で相手の皿に料理を取り入れる場合も珍しくない。
 
記事の指摘によると、中国の伝統的な食事方法もピロリ菌感染率を高める一因ということになる。
 
ただし、個人の箸を料理の取り分けるのは肝炎を含めてさまざまな病気の感染リスクが高まるなどとして、大皿から料理を取り分ける際の取り箸は別に用意すべきと解説する啓発記事も時おり発表されている。
 
取り箸は「公用筷子(ゴンヨン・クァイヅ=共用箸)」「公筷」などと呼ばれる。(編集担当:如月隼人)

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