雑記:中国人が「ポコペン」と言っていた

正確に言えば「ポコペン」の言い方が使われていた、とするべきでしょうか。気づいたのは昨日です。「嫌閨蜜回的礼金“不夠本” 她自己上門偷走1500元」という記事見出しが目に入りました。
直訳すれば「女友達の返礼が“不夠本”として反発。彼女は部屋に侵入して1500元を盗み去った」です。はっきり言って、つまらない犯罪です。女性同士の親友がいた。両者とも既婚と思われます。1人が妊娠。そこでもう1人が500元程度のプレゼントをした。ところがもらった方が腹を立てた。相手が出産した際に自分は現金1000元を贈った。もらったプレゼントが500元程度の品では「不夠本」だとして、隙を狙って相手部屋の鍵を盗み、侵入して1500元を盗んだ――というもです。
気になったのは記事本文ではなくて、見出しの「不夠本」です。ローマ字表記では「bu gou ben」、カナだと「ブー ゴウ ベン」といったところでしょうか。これが「ポコペン」の語源と見られています。
ドラゴンボールより
 
「ポコペン」と言っても、今の若い人はピンとこないかも。中国人を揶揄する時に使いました。敢えて書けば「シナのチャンコロどもが『ポコペン、ポコペン』また言った!」なんて具合です。
シナは中国を指す蔑称とされています。本当は蔑称ではないのですけどね。詳しくは「中国の友人に宛てた手紙」をお読みください。
チャンコロは中国人を指します。蔑称と言ってよいかな。でも、「中国人(ヂョングオレン)」の音を使っただけ。蔑称として使いはしましたが、侮蔑的な意味は本来ない。中国人が使う「小日本(シァオリーベン)」や「日本鬼子(リーベングイヅ)」の方がよほど強烈だと思うのですがどうでしょう。
さて「ポコペン」です。戦前、日本軍や日本人商人が多く、中国に渡りました。軍は物資調達のため、商人はもちろん商売のために、中国人商人と取り引きをします。当然ながら、価格交渉になる。そんな時に中国人側が「不夠本」を連発したというのです。
「ポコペン」つまり「不夠本」の意味は「元手に足らない」です。つまり、そんな価格で取り引きをしたら損をしてしまうと訴えたというのです。こう書くと、日本人が中国人にとって不利な取り引きを強要したとのイメージがありますが、そうとは限りません。もちろん、威圧的な態度で強引な値引きを求めることもあったでしょう。ただ、売る方が価格をできるだけ高くするよう努力するのは当然です。ですから、まっとうな交渉でも、中国人商人が「不夠本」を連発したであろうことは、容易に想像できます。
さて、この「不夠本」ですが、ネットで検索したところ、最上位に出てきたのは、中国の代表的なネット百科事典である百度百科のページです。「日本人が中国人に対して使う差別的な用語。主に日本語のカナで『ポコペン』と表記される」などと説明しています。
検索では中国語版ウィキペディアのページも上位に出てきます。説明は同様です。中国人が実際に「不夠本」を使っているページは少ない。前にも試してみたのですが、ニュース検索でヒットしたページは「不夠」だったり「夠本」でした。「不夠(ブーゴウ、足りない)」で、日常用語でよく使います。「夠本(ゴウベン)」なら「元が取れる」で、こちらもある程度使います。ただ、「不夠本」を使っている記事は見当たらなかった。「日本人が中国人を侮蔑的に表現する際の言い方」との考えがあるので、使わないのだろうか、とも思っていました。
先ほど検索したところ、冒頭で紹介した記事が最上位でヒットしました。他には見当たらない。さて、どうして「不夠本」を見出しに使ったのか。本文では別の言い方を用いています。読者の目を引こうと、あまり使わない言い方を敢えて使ったのか。そのあたり、ちょっと分からないのですが。これからも、中国人の言葉使いにおける「ポコペン問題」を注視していくつもりです。

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