迷いに迷ったのですが、ご説明します


なにをご説明するかというと

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0913&f=national_0913_021.shtml
飲んだ彼氏とのキス、吸いすぎに注意…計測結果「飲酒運転」=南京


に関連してです。


記事中に、測定機の警報音を「ディー、ディー、ディー!」と書いた。原文に従いました。中国語では「滴、滴、滴」なんて書きます。当て字ですね。この「ディー、ディー、ディー!」に触れたコメントもいただきました。かなり迷ったのでうすが、ご説明します。


擬音語というのは、言語によって相当に違います。前に、ニワトリの鳴き声が「コッカ、ドゥードゥルドゥー」なんていうのが、どうにも納得できぬというご指摘もあったなあ。


大昔のことです。中国語もろくにできない時代に、仲間と一緒に北京でタクシーに乗ったことがあった。そのタクシーの運転手は面白い人だった。妙にノリがよい人で、われわれの会話を聞き、“日本語のマネ”なんて言い出して――正確には覚えていませんが――「はもしねが、わにあみなまで、こめなさです。どねたらもし、ミシミシですか」なんて言い出した。中国版ハナモゲラですな。車内は大爆笑。


その運転手のお兄さん、いつもそうだったが、その時だけだったのか分かりませんが、妙なリズムをつけてクラクションを鳴らす。「ビビッビ、ビッビー、ビビッビビー」てな具合に。


何度も繰り返すので、乗り合わせた日本人が面白がってまねしだした。「ビビッビ、ビッビー、ビビッビビー」、「ビビッビ、ビッビー、ビビッビビー」――と大合唱。


ところが、それまで陽気に会話(言葉が通じないから、会話とは言えないかも)を続けていた運転手のお兄さんが無口になってしまった。あれれ? と思っいました。何か、気を悪くさせてしまったかなあ。

運転手のお兄さんは、車を道路の脇につけた。怒っているのではないな。ハンドルを抱えて笑いをこらえている。彼が言うには、「ビビッビ、ビッビー……」はやめてくれということでした。こちらは、わけが分からない。


片言の中国語に、これまた片言の英語で会話して分かった。中国語で「ビー」は卑猥な意味がある。聞いていられないから、やめてくれということでした。ふむふむ。


後で調べたら、この場合の「ビー」は、漢字で「尸」の内側に「穴」と書くそうですね。「尸」は、人間の肉体を指します。英語でいうbodyですね。それに「穴」を付けくわえて、意味を確定する。そのあたりで、人類の約半分が持つ、肉体のパーツを指す言葉ということで、お察し願いたい。


でも、日本人にとって、自動車のクラクションの音は「ビー」と聞こえる。中国人は、どのように言うのかと尋ねたら、「ディー」というそうです。ふうむ。擬音語がどうなるのかというのは、単に「耳にどう聞こえるのか」という問題だけでなく、文化的背景が強く影響すると、深く学習したのでありました。


その後は目的地に着くまで、運転手さんが妙なリズムがあるクラクションを鳴らすたびに、車内の日本人乗客一同、「ディディッディ、ディッディー、ディディッディーディー」と唱和したのでありました。


運転手のお兄さんは、特段の反応をしたわけではありません。でも、「中国語をよく知らない脳天気な日本人に、もう一度『ビビッビ、ビッビー……』と叫ばせたかったなあ」と思っている雰囲気が、なきにしもあらずでした。