習近平VS蒋介石…赤と黒の戦い、実行犯の運命には大きな違いが

 
中国では、習近平国家主席の肖像に墨汁を浴びせかける事件が発生した。一方、台湾では蒋介石元総統の像に赤ペンキなどがかけられる事件が相次いでいる。ただし、「実行犯」の運命は大きく異なる。
上海市内で街頭に掲示されていた習近平主席の肖像に墨汁が浴びせかけられる事件が発生したのは4日午後。上海市内の海航(海南航空)ビル前で、1989年生まれの董瑤瓊という女性(写真)が、「習近平は独裁専制暴政」、「中国共産党は洗脳で(人々を)圧迫」などと叫び、習主席の肖像に墨汁を浴びせた。女性は同行動の映像をツイッターで同時配信した。
その後、女性は行方不明になった。最後の書き込みは「今、ドアの外に制服を着た一群の人がいる。私の着替えを待って、出発するという。私に罪はない。罪があるのは私を傷つける人と組織だ」だった。女性はその後、故郷の湖南省株洲市に連れ戻され、精神病患者として16日までに病院に収容されたことが分かった。
中国でも、国家指導者を侮辱したり名誉を棄損した場合に特別に適用される法律はない。法律上の責任を追及するとすれば、刑法第246条の「暴力またはその他の方法を用いて他人を公然と侮辱したり事実を捏造して他人を誹謗した」の条文を適用するしかなく、科すことができる刑は最高でも懲役3年だ。
また、裁判を行うとすれば外国メディアに改めて注目されることになる。当局として「とりあえず病人扱い」を決めたと考えられるが、事実上の拘束が長期化する可能性もある。また、女性に対して法の定めのない危害が加えられる可能性も否定できない。
一方の台湾では、故蒋介石総統の像に赤ペンキなどがかけられる事件が続いている。「実行犯」は台湾の独立を主張する個人またはグループで、第二次世界大戦後に「中国人である蒋介石」が台湾を統治し、その体制が固定したことに対する抗議だ。警備の人員がいる場所で、公然と犯行に及ぶこともあり、その場合には身柄をただちに拘束される。
公共の財産に損害を与えたなどとして裁判にかけられることになるが、法律による処罰を覚悟で犯行に及ぶケースが多いことは逆に、法治に対する信頼があるためと理解できる。(編集担当:如月隼人)

【関連】

台湾独立派が中正紀念堂の蒋介石像に赤ペンキ入り卵を投げつける―中国メディア

中国で「習近平礼賛」が急速に後退、絶賛スローガンの使用禁止も…北戴河「神仙会議」と関連か