アモイ大学が学生1人・教師1人を追放…ネットに「中国人は劣った民族」「共産党は匪」などの書き込み

 
アモイ大学(厦門大学、福建省)は1日、同大学大学院生の田佳良さんの学籍を剥奪し、歴史学科の周運中助教授を解雇すると発表した。田さんはSNSで、上海のイベント会場に大量のごみが残されていたことを強く非難したが、かつての日本人のように中国人を侮蔑したとしてインターネットが「炎上状態」になった。周助教授は中国人を「低劣な民族」と論じ、「匪」との表現も用いて共産党を罵倒した。
田さんはアモイ大学の大学院生で、専攻は環境生態学。SNSを通じて4月19日に上海市内で開催されたイベント会場に大量のごみが残されていたことを厳しく非難し、「支意盎然」「悪臭你支」「悪臭国人」と書き込んだ。
「支意盎然」は「春意盎然(春の息吹が満ち溢れている)」という決まり文句のもじりで、「『支』の息吹が満ち溢れている」の意となる。「悪臭你支」は「悪臭よ、あなたは『支』」、「悪臭国人」は「悪臭の中国人」と理解できる。
「支」とは、多くの中国人が、「日本人が使う中国の蔑称」の一部を使ったと考えられたため、田さんの考え方は、「自分は精神的には(過去の)日本人だ」とする「精日」とみなされ、非難されることになった。
田さんはアカウント名で書き込んでいたが、中国のネット民の間で「本人探し」を意味する「人肉捜索」が始まり、本人が明らかになった。田さんは大学院生になる前に遼寧省大連市にある遼寧師範大学を卒業している。遼寧師範大学時代には、学生にとっては大きな栄誉である「三好学生(思想道徳、学習、健康の3つが良好)」に選ばれ、共産党員になっていたことも分かった。
一方、周助教授はSNSに「中国人は最も低劣な民族。人とは見なせない。中国人にとって最高の境地はうその話をすること、うその会計をすること、うその契約をすること」と書き込んだ。さらに、中国では自国が独力で成功させたとされる「両弾(核兵器と人工衛星打ち上げ)」についても、「そもそも米国の功績」と主張(米国の情報を盗んだとの意か)した上で「大うそによって吊匪の功績にされた」と主張した。
「吊匪」の「吊」とは本来、男性性器を指す言葉で罵り言葉で使われる。つまり、周助教授の主張を日本語風に書き直せば「くそったれ匪賊の功績にされちまった」となり、明らかに共産党に対する罵倒と理解できる。
周助教授は「中国の科学技術は米国に比べれば、少なくとも5000年は遅れている。それは思想の遅れであり、民度の遅れであり、制度の遅れだ」などとも書き込んだ。
田さんと周助教授で、最初に注目されたのは田さんだった。アモイ大学は4月23日時点で、田さんを1年間の「留党察看・留校察看処分」にすると発表した。党籍や学籍を残したまま、1年間の観察処分にするとの意で、本人が強く反省したと認められれば復活できる方式だ。しかしインターネットでは処分が軽すぎるとの意見が渦巻いた。
さらに8月31日になると、周助教授の書き込みが話題になり、ネット民が強く非難することになった。
アモイ大学は9月1日になり、周助教授が「多数回にわたりSNSで歴史事実を歪曲し、共産党と国家のイメージを損ない、国民の感情を傷つけた」「教師としての道徳の最低ラインを割り込んで社会に極めてよくない影響を与えた」として、周助教授の解雇を決定したと発表した。
アモイ大学は同時に、田さんについては4月23日の処分決定以降に、遼寧師範大学時代に発表した論文に、他の論文を書き写した部分があったとして、8月15日付で党籍を剥奪し、退学手続きを取ったと表明した。(編集担当:如月隼人)

【関連】

タクシー運転手が殴られる、ネットで「習近平に似ているからだ」と話題に…最初の記事ごと全部削除

毛沢東は「王道」の面あったが、毛沢東を模倣する習近平にはない…中国人学者