「革命聖地」の役人が飲食店の代金を16年に渡り踏み倒し、地元メディアが告発記事=中国

陝西省メディアの華商報は19日、同省延安市洛川県楊舒郷政府に務める職員が、地元飲食店を16年間に渡って「つけ」で飲み食いし、料金を払っていないとする告発記事を掲載した。延安市は中国の「革命聖地」の中でも最も重要な場所のひとつ。
記事によると、同郷界村住人の万三鎖さんが万年青食堂の経営を請け負ったのは2000年だった。省政府は政府としての接待や職員の食事に同食堂を利用したが、代金は記帳するだけで実際に支払ったケースは極めて少なかった。料理だけでなく酒やたばこの代金も「つけ」にすることがあったという。
万さんによると、2002年時点で役場関連の「つけ」は4万元以上に達していた。万さんは、未払金の多さに食堂の維持は困難と考え、経営権を手放した。その後も郷政府に支払いを求め続けたが、「息子の結婚のためにどうしても必要」と訴えた際に1万元が支払われた以外、残り3万元は現在も支払われていないという。
万さんはその後も支払いを求め続けた。その間に郷政府トップは何回か交代したが、いずれもさまざまな理由を口実に、支払いは滞った。2017年2月には2000元の入金があったが、その後の反応はないという。
万さんによると、現在の未払い金額は3万959元(約50万円)。高齢になり体が不自由になったので、公称は息子にまかせることにした。万さんは「自分が生きている間に、支払ってもらえるかどうか」と嘆いている。
記事によると、政府担当者は取材に対して、長期間に渡り支払いをしてこなかった事実は認めたが「ずいぶん古い話で、私が担当した問題ではなかった。だからコメントは控えたい」「私が就任してから積極的に処理してきたが、財務関連が一貫して厳しく、目下のところ支払える状態でない」と説明したという。
中国当局は現在、個人レベルを含めて債務の不履行の取り締まりと適用ルールの規範化に力を入れている。中国語では「踏み倒し」または「踏み倒しをする人」を「老頼(ラオライ)」と呼ぶ。「老頼」に対しては、高額商品やぜいたく商品の売買や航空機や高速鉄道の利用禁止、金融商品の取引停止などの措置も取られている。
記事は、「官頼(グアンライ=役人/役所による老頼)」という言い方も発生しており、万さんと同様のケースは珍しくないと紹介。「信用は経済と社会が健全に運営される核心的な価値のひとつ」と指摘し、「政府(役所)が信用を放棄すれば、社会はそれ以上に(役所を)まねる」と主張した。
中国では報道に対する規制が厳しいが、「社会による監督」のひとつとしてのメディアの役割は認められており、明らかな不正を紹介する報道は時おり発表される。同記事は「社会による監督」の一環としての告発記事と理解できる。
延安市は1930年代、国民党の攻勢にほとんど壊滅的な打撃を受けた共産党が改めて拠点とした地で、毛沢東らの指導で農民庶民に寄り添う清廉潔白な党風を強化し革命の成功に結びつけたとされる、中国の「革命聖地」の中でも最も重要な場所のひとつ。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人