日本酒の「おもいで」…人生、苦もありゃ楽もある

先ほどフェイスブックにこんな投稿をしました。
まあ、この価格帯でこの料金なら相当によいかな、と思ったわけで。
日本酒には「おもいで」があります。例によって昔話になりますが、かつては日本酒に「特級」「一級」「二級」というランク付けがありました。国税局の監査で級別され、級により税率が違う、という仕組みでした。
監査を受けないと、自動的に「二級」になります。ということで酒造会社、とくに地方の会社の一部では、よい酒を無鑑査で出していました。私はこの「無鑑査二級」の中での旨い酒を探すことに、かなり熱中しました。
私としては出羽桜という山形の酒、「無鑑査二級・大吟醸」なんて謳っていた酒がイチオシでした。日本酒を飲む場合には、出羽桜の「無鑑査二級・大吟醸」で、ほぼ固定しました。二級ということで、安かったこともありますし。
ところでたまたま、山形に行く機会があったのですね。音楽関連のイベントでした。県議会の偉い先生が主導した催しで、打ち上げはその先生のご自宅。東京のちまちました家ではありませんからね。堂々たる大広間で、30~40人ぐらいは御邪魔したのではないかな。
そこで出てきたのが、出羽桜の「無鑑査二級・大吟醸」。おおお。私はその先生に申し上げました。「この酒はうまいと思います。日本酒を飲むとき、たいていはこの酒です」と。別にお世辞を言ったわけではありません。事実、そうでしたから。
でも、お世辞と思われるのもいやですから、「○○県の××は、コクはあるけど、私にはちょっと重い。逆に△△県の〓〓は、軽やかだけど香りに乏しい」なんて、酒飲み歴数十年と思われる先生に、ずいぶん偉そうに蘊蓄を垂れてしまいました。
ただ、喜んでいただけましたね。私としても自分の気持ちのうそ偽りのないところを話して、そのことを分かっていただけたので、嬉しかったなあ。
と言うことで、宴もお開きになる時、その先生が「ウチにはこの酒がいっぱいあるから、持って帰りなさい。山形の酒を気に入ってもらって、私もとても嬉しい」とおっしゃいました。ううむ。喜んでいただけてよかった。さらに、というかそれ以上に、「家に帰ってからも、ただ酒の延長戦だ」と私が鼻の下を伸ばしたのは言うまでもない。
ということで、玄関まで足を運ぶと、その酒が用意されていた。私が両手で持てるよう、一升瓶をまとめて紐で縛っている。なんと、6本ずつ2セットの12本。その時はなるべく軽装でということで、ショルダーバッグひとつで来ていた。私は演奏スタッフでないので、楽器を持つ必要はない。ただ、一升瓶を左右両手でそれぞれ6本はきつい。
その日は山形市内のホテルに宿泊。翌日は午前中の新幹線。いくらよいお酒でも大量に飲めば二日酔いになるわけでして、翌日は頭がんがんの状態で一升瓶12本を運搬。しっかりくくっていただいているので、危ないことはないのですが、紐が手のひらや指に食い込む。
新幹線から降りてからもつらかった。とりわけ、自宅の最寄り駅で降りてからの歩きはつらかった。途中で何度、出羽桜を地面に置いて休憩したことか。これが私の「日本酒、重いで~」です。
追記:いただいたお酒は1カ月少々で、きちんといただきました。美味しかったなあ。人生、苦もありゃ楽もある、ということですかね。


Posted by 如月隼人