中国の記事の方が、数字の表記は優れている

中国メディアの記事を読んで、日本人向けに紹介する作業を続けています。ということで、中国語と日本語の記事をいつも見比べているわけです。それぞれに習慣があり、一長一短というところなのでしょうが、数字の表記は中国の記事の方が優れています。
まず、日本のメディアの数字の表記法をご紹介しましょう。もちろんメディアの種類によっても違いますが、ここでは新聞や通信社の記事における数字の書き方です。
基本的に、「万」「億」「兆」は漢数字で表記し、それ以外は数字を使います。例えば「3億5600万円」とかきます。数字が0である桁は、飛ばして書きます。「2億250万円」のようにです。
グラフや表で使う場合は別ですが、金銭計算でよく使われる3桁ごとの区切りの「,」は用いません。
私はこの「,」による桁の区切りが大嫌いでしてね。欧米語、例えば英語の「thousand」「million」「billion」という数の区切りにもとづくものですから、日本語として不自然極まりない。「慣れてしまえばよい」との意見もありますが、私としては「不自然だ」の感覚を大切にしたい。
企業リリースなんかを見ると、「3,256,211万円」なんて書き方をしている場合もある。3桁ごとの「,」なら、「まあ、外国人(特に欧米人)には分かりやすいかも」と自分を納得させることもできる。「,」と「万」を両方使ったのでは、日本人にとっても外国人にとっても分かりにくいに決まっている。「ケンカ売っているのか」と言いたくなります。
さて、中国の記事が大きな数字を扱う場合ですが、例えば「3.56億円」のよう書きます。日常用語の読み方とは違いますが、私はこちらの書き方の方が優れていると思っています。
「3億5600万円」と「3.56億円」のどこが違っているのか。それは、「数字の精度を示しているかどうか」ということです。「3億5600万円」と書いたのでは、数字が「3億5600万」ぴったりなのか、それとも10万の位で四捨五入した概数なのか分かりません。
一方、「3.56億円」と書けば「10万の位で四捨五入」と想像がつきます(日本でも、理系分野ではこのように書くのが一般的です)。もし、「1万の位で四捨五入」したことを示したいなら「3.560億円」とも書けるわけです。
それから日本と中国の記事の数字の書き方の違いで、中国の記事は「兆」という単位をあまり使いません。かわりに「億万」と書きます。「3.56億万円」のようにです。要するに「3兆5600億円」のことです。これは習慣の違いと言うしかないのですが、私はそそっかしいので、一瞬「3.56億」と読んでしまいヒヤリとすることが結構あります。