スウェーデンで中国人の盗難被害が超多発、容疑者逮捕ゼロ…大使館が強調、政治配慮の可能性も

中国政府外交部(中国外務省)領事部と同国駐スウェーデン大使館は連名で、スウェーデンで過去3カ月間に中国人観光客の盗難被害が50件以上発生しているとして、自国民向けの注意喚起を22日付で発表した。いまだに容疑者逮捕に至った案件はないという。大使館の発表が事実としても、ぎくしゃくする両国関係をにらんだ上での政治的配慮がある可能性も否定できない。
注意喚起によると、50件以上という盗難被害は駐スウェーデン大使館など、中国の現地公館が把握した件数。スウェーデン警察から、容疑者逮捕の連絡はいまだないないとして、「わが国民の合法的な権益が有効に保障されることは困難」として、安全意識を高め合理的な行動計画を立ててほしいと呼びかけ、緊急事態に遭遇した場合には、まず安全の確保をした上で、すみやかに警察と大使館など中国公館に連絡するよう求めた。
中国外務省や駐スウェーデン大使館による盗難被害についての注意喚起は、2018年9月23日に、有効期間を同年12月22日までとして発表された。その後、有効期間が2019年3月22日に延長され、同日付で、同年6月21日まで再び延長された。
スウェーデンでは2018年9月、予約の1日前にホテルに到着した中国人客を警察が強制退去させた件や、同国テレビ局が中国人を「侮辱」する番組を放送するなどで、中国人の対スウェーデン感情が悪化し、外交問題にもなった。欧州を訪れる中国人客は増加しているが2018年10-12月期にスウェーデンを訪れた中国人客は前年同期比6%減少したとの報道もある。
中国当局がスウェーデンでの中国人の盗難被害の強調を続けていることも、中国人のスウェーデン旅行にとっての「ブレーキ要因」になると考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)

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Posted by 如月隼人