快挙だ! 大拍手! 「くらコーポレーション」が「くら寿司」に社名変更

 
 
これを知った時には嬉しかったなあ。快挙だ。大拍手! 大絶賛!であります。「くらコーポレーション」が5月1日付で「くら寿司」に社名を変更するというのです。
 
このところ、日中関係を中心に企業のリリースを追っているのですが、日本企業の社名が、カタカナとかローマ字だらけでうんざりしていたのですよ。
 
大きな転機は「松下電器」が社名をパナソニックに変更したころだったか。なんでも「すべて」を意味する「PAN」と、「音」を意味する英語の「SONIC」を組み合わせたそうですが、あの会社、音響機器メーカーだったのか。外国人に分かりやすくしたそうですが、かえって誤解の元ではないか。
 
「松下電器産業」でなぜ悪い。松下幸之助氏が創業し、世に「電器」を送る「産業」に従事。分かりやすいではないか、すがすがしいではないか。どうしても外国向け社名が必要ということなら「電器産業」の部分だけ英語訳を用意すればよい。はっきりいって、あれだけの大会社なのに、上層部の日本語感覚はとてつもなくダサいと思いましたね。
 
昨今では、それに輪をかけてワケの分からない社名が多い。「日〇オートモティブシステムズ」という社名で、何をやっている会社か分かる人がどれだけ存在するか。
 
いや、英語風カタカナやローマ字列記の社名があってもよいのですよ。ただ、今はあまりにも多すぎる。カタカナやローマ字を使った方が「国際的っぽいでしょ。カッコよいでしょ」という意識が強まっているとしたら、日本では「言語植民地化」が進行中ということだと思う。
 
ええと、それ以外にも「この社名はなんんだ!?」という例はいろいろあるのですが、あまり悪口は言いたくないので「くら寿司」のことにもどります。創業時から店舗名は「くら寿司」で、1995年に会社組織を立ち上げて「くらコーポレーション」の社名にしたそうです。まあ、店舗数をどんどん伸ばしていきたいという意気込みが強くて、それが「世界に向って伸びていくイメージのある英語を使ってコーポ―レーションがよいかな」との発想に結びついたのでしょうか。
 
日本語由来の社名をカタカナ語社名に変更する例は多いのですが、逆は少ないですね。では、どうして社名を「くら寿司」に変更したのか。私の憶測ですが、中国人や香港人、台湾人などインバウンドを含めた中華圏対策もあるのかなとも思っています。くら寿司の知名度は海外でもかなり高いですからね。中国語では「蔵寿司」と書かれています。
 
「寿司」は、日本で生まれた当て字ですけど中国人なども何を意味するか結構知っています。「蔵寿司」という社名を見れば「寿司がいっぱいつまっている蔵」てなイメージになりますかね。文字からくるイメージは悪くない。
 
では、「くらコーポレーション」は中国語にどう訳すのか。中国語は、こういう長い言葉を音訳するのが苦手ですからね。「コーポレーション」だけで、おそらく5文字以上を並べねばならない。しかも「会社」という意味は消失する。では、「蔵公司」とでもするか。これじゃ、倉庫業の会社みたいだ。
 
「あの有名な『蔵寿司』を運営している会社は何ていうの?」
「『蔵公司』だよ」
「え? 倉庫業の会社が片手間にやっているのか」
 
てな風に誤解されかねない。
 
「『蔵寿司』を運営しているのは『蔵寿司株式会社』だよ!」となれば話が早い。ちなみに、「株式」は中国語で「股份」ですが、日本語の「株式」は中国語の「股份」に相当することは、比較的よく知られています。「会社」=「公司」についても同様。
 
とにかく、日本企業の社名には、あまりカタカナ語を使わない方がよいというのが、私の言語感覚です。海外向けには、必要に応じて日本語固有名詞を残して英語訳を作っておけば十分という考えです。
 
さあ、これからは「くら寿司」をひいきにするぞ。少なくとも、「回転すしでも食べよう」とでもなったら、まずは「くら寿司」を探すことにしよう。