今宵、あなたと「爆」の世界へ

最近ちょっと、爆発記事を書いていないなあ。いろいろなタイミングなんかがあって、ごぶさたしている。いや、どうもすみません。


ということで、爆発関連の中国語をご紹介することを思いつきました。中国語って、漢字を使っていて、その漢字の意味というか、個々の漢字や単語のイメージが日本語とは違うことがあります。これが結構、面白かったりする。


それから、以下に使う漢字はすべて日本語の字体を使います。中国語のフォントを使ったのでは、ひょっとしたら正常に表示されない場合があるかもしれませんからね。


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【爆炸(バオヂャー)】

この言葉が、日本語の「爆発」に相当します。「爆」は「爆発すること」、「炸」は「破裂する」です。ガラスにひびが入って割れることも「炸」で表現する場合があります。


日本語で言う「爆弾」は、中国語では「炸弾(ヂャーダン)」といいます。


興味深いことに、「爆」と「炸」は料理用語としても使います。「爆」は「強火で一気に炒める」ことを指します。熱湯にくぐらせて急熱する場合も「爆」ということがあります。「炸」は「油で揚げる」です。ううむ。中華料理はつねに、爆発であるわけだなあ。


【爆発(バオファー)】

これは、爆発して中から何かが噴き出してくるイメージの言葉ですね。火山の噴火は正式には「噴発(ペンファー)と言いますが、報道なんかでは「爆発」と表現されることが多い。噴火にもいろいろありまして、比較的穏やかに溶岩が流れ出す場合や、天に溶岩や火山弾なんかを吹き上げる場合があります。


中国語ではそれぞれ「寧静式(ニンチンシー)」、「爆裂式(バオリエシー)」と言いますが、後者の場合「火山爆発了(火山が爆発した)」なんて言い方をする場合が多いようです。


それから、以前に知り合った中国人の音大生のお兄さんが「指揮者に大切なのは爆発力だ」なんて言っていました。大きな音をいきなり「ズバン」と出せる能力のことで、そういう気合いみたいなものは、天性のものだとの説でした。「爆発力」はスポーツについても使います。


日本語の「瞬発力」にちょっと近いのですが、中国語の「爆発力」の方が、ずいぶん力強いイメージがしますよね。


【爆破(バオポー)】
これは日本語とほぼ同じ。ある一定の目的で、爆発によって何かを破壊することです。ビルの爆破なんかに使います。


【爆胎(バオタイ)】
「胎」はこの場合、「輪胎(ルンタイ)」の省略型です。「タイヤ」を「胎」と音訳したのですが、それだけでは同音異義語も多いので、「輪胎」とした。「車輪タイヤ」といったところでしょうか。ただし、さらに他の単語と並べるとこんどは言葉として長くなりすぎるという感覚が働いて、「胎」の部分だけでタイヤを表します。


「爆胎」は要するに「パンク」。日本人にとっては、かなり大げさな表現に思えますね。ただ、中国のニュースを見ていると「輪胎爆炸了」なんて記事があったりする。こうなると「タイヤが爆発した」です。なかなか油断ができません。


【爆裂(バオリエ)】
「爆炸」とほぼ同じ。どっちかというと「爆裂」の方がちょっと固いことばかなあ。中国で最も標準的な辞書の「現代漢語詞典」では「爆炸」は「物体の体積が急激に膨張し、周囲の気圧に強烈な変化が発生し、さらに巨大な音響が発生する現象を爆炸と呼ぶ」と書いている。


一方の「爆裂」では、「突然破裂すること」となっており、「破裂」を調べると「完全な物に亀裂が生じること」と書いている。


この説明だと「爆裂」の方が「爆炸」よりおとなしいみたいですけど、必ずしもそうではない。日本でいう「爆発物」は、中国では「爆裂物」なんて言います。


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そうそう。店やイベント会場が満員になった場合には「爆満(バオマン)」と言います。この場合、なぜ「爆」の字を使うのか、ちょっとよく分かりません。

「爆」は「膨れ上がる」という意味で使う場合があり、ひどい日焼けで水膨れになった場合にも「晒爆了(シャイバオラ)」なんて言います。「爆満」については、客で会場が膨れ上がった感じも関係しているのかなあ。中国人は「爆」の字が好きだなあ。