話相手の性格を、すぐに分類できる裏技

前に、「せっかくなので、『爆裂系こぼれ話』を」(2011/02/19)の文章でもご紹介しましたが、フリー時代を終え、組織の一員として働くようになった最初の職場で、とてもとてもお世話になった編集長には、いろいろな場面で役に立つことをたくさん、教えていただきました。


その中のひとつが「初対面の人の性格を2つに分類する裏技」です。


具体的にはインタビュー記事を書く取材の際に使うのですが、そうでなくても「相手の性格を2分類」というのは、いろいろな局面で使えます。


話は長くなりますが、まずは「インタビュー」の仕方です。事前に相手のことをできるかぎり調べる努力をするのは当然です。でも、なかなかそうはいかないことがある。相手が“超有名人”ならば、資料も探しやすいのですが、そうはいかない場合もあります。今はインターネットで調べれば、かなりの情報にたどりつける場合が多いのですが、下手をすれば所属と肩書しか分からないなんてこともある。


こんなときに役に立つのは日ごろの勉強です。記者稼業をするなら、専門分野以外に、いろいろなことに鼻をつっこんで、日ごろから知識を累積しておかねばなりません。


考えてみれば、「取材の直前に、相手のことを調べておく」というのは試験前の一夜漬けみたいなものです。ふだんから、関連分野のことを知っておけば、そう的外れな取材にはならないものです。ほとんど知識のない相手からも、十分に話を引き出せてこそ、プロの記者と考えています。


もうひとつ大切なのは、インタビューの現場で相手の心の動きを把握することです。人間というものは本質的に、「自分の考えを相手に伝えたい」という欲求があるものですが、相手が「どんどん、しゃべっていきたい」という性格なのか、「慎重に、間違いのないように説明したい」人なのか、このあたりの読みを間違えると、ちぐはぐな受け答えになる。相手が気分を害する場合もあります。


最終的に原稿にまとめる際も、相手の心情が分かっていないと、リアルな雰囲気が出てきません。


話は戻りますが、編集長に教わったのは、相手が「革新志向」なのか、「保守志向」なのか、見分けるコツがあるということでした。


この場合の「革新」、「保守」は、政治的な「左」や「右」には、関係ありません。「思考がどんどん、新しいことに向う」のか、「それまでの積み重ねを重視するのか」という違いです。


言われてみれば当たり前ですが「革新的」な人は思いついたことを早口でどんどん言う。逆に「保守的」な人は言葉を選ぶので、ゆっくりと話す傾向があります。


「革新的傾向」の代表例としては「マッ、ソノー」の田中角栄、「保守的傾向」の代表例は「アー、ウー」の大平正芳だと、教わりました。


ちなみに、いくら何でもお二人が「マッ、ソノー」とか「アー、ウー」を繰り返しているわけではなく、どちらかというと物まねの芸人さんが広めたのですが、次にどんな斬新な言葉を繰り出そうかと狙っている「田中角栄のマッ、ソノー」に対し、最も適切な言葉を選ぼうとするあまり、繰り返し出てくる「大平正芳のアー、ウー」というわけで、芸人さんも両者の性格を適格にとらえているなあと、あらためて感心した次第です。


ということで、Youtubeで見つけた、お二人のスピーチをご紹介しましょう。ただ、大平氏の場合は街頭演説で聴衆をダレさせてはいけないということで、普段よりも意識的にテンポを上げて話しているようです。大平氏の演説はあまり見当たらず、ご紹介する動画でも、7分50秒あたりから、少しだけ紹介されています。


http://www.youtube.com/watch?v=3IICS3Hsyy8

田中角栄


http://www.youtube.com/watch?v=vEiBHbH3wWs

大平正芳