東アジア今日は何の日:9月4日~中国政府が領海の宣言、尖閣諸島には直接触れず(1958年)

中国政府は1958年9月4日付で、領海に関する宣言を発表した。大きな目的は、台湾に逃れた国民党政府と厳しく対立していた当時、沿岸から12海里の領海を宣言することで米軍に対して船舶などを接近させないよう警告することがあったと見られている。そのためか、島嶼について細かい列記はあるが、後に日本との間で問題になる尖閣諸島についての直接の言及はない。
 
自国沿海についての主権の行使、つまり領海については古くから多くの議論があったが、19世紀までには領海を自国海岸から3海里(約5.56キロメートル)する主張が主流になった。ただし、3海里という距離が条約で定められていたわけではなく、4海里や6海里を主張する国もあった。
 
その後、領海12海里(約22.2キロメートル)を主張する国が増えたきっかけは、米国が自国沿海で発見された海底油田に対する権利を主張するため、1945年に領海を12海里にすると宣言することがきっかけだった。
 
中国は1958年9月4日の「中華人民共和国政府による領海についての声明」で、領海12海里を宣言した。
 
同「声明」はまず、中国の領土を「大陸部およびその沿海の島嶼、大陸と沿海の諸島とは公海で隔てられている台湾とその周囲の各島、澎湖諸島、東沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島、およびその他の中国に属する島嶼」と宣言した。
 
領海は単純に海岸線からの距離によって定めるのではなく、湾などがある場合には、湾の内側を内海とし、内海と湾の外側の間に基線と呼ばれる線を設定し、基線からの距離にもとづき領海を定める場合がある。
 
中国政府による1958年の「声明」は、渤海湾や中国大陸と海南島の間の瓊州海峡は内海と宣言。さらに、東引島、高登島、馬祖列島、白犬列島、烏坵島、大小金門島、大擔島、二擔島、東碇島もすべて、中国の内海にあると主張した。
当時の中国にとって「特に気になる島」が詳細に列記されているのに対して、尖閣諸島は明記されていない。中国はその後、尖閣諸島は台湾周辺にある島と主張するようになった。ただし、さまざまな文書で台湾本島から約50キロメートルの距離にある澎湖諸島を台湾諸島とは別個に記載してきたのにもかかわらず、台湾本島から約330キロメートルの距離にある尖閣諸島を「台湾周辺の島」とする主張には不自然さがある。
 
【1958年のその他の出来事】
・東京通信工業がソニーに社名変更(1月)
・米国初の人工衛星、エクスプローラ1号が打ち上げに成功(1月)
・画家・横山大観が死去(2月)
・関門トンネルが開通(3月)
・フルシチョフがソ連首相に就任(3月)
・売春防止法が施行(4月)
・長嶋茂雄が巨人選手としてデビュー、金田正一投手に4打席連続三振(4月)
・富士重工業がスバル360を発売(5月)
・長崎国旗事件、右翼団体が中華人民共和国国旗を棄損(5月)
・中国が大躍進を開始(8月)
・ホンダ技研工業がスーパーカブを発売(8月)
・金門砲撃戦が始まる(8月)
・朝日麦酒が日本初の缶入りビールを発売(9月)
・東京タワーが完成(10月)
・東海道本線(在来線)で電車特急「こだま」が運転開始(11月)
・皇太子・明仁親王と正田美智子さんの婚約発表(11月)
(編集担当:如月隼人)

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