東アジア今日は何の日:9月18日~朝鮮初の鉄道が開通、経営者は渋沢栄一(1899年)

1899年9月18日、現在の韓国・京仁線が一部区間を除き開通した。朝鮮半島初の鉄道路線だった。写真は開通式典の際に撮影したとされる。鉄道建設は紆余曲折したが、結局は日本の渋沢栄一が運営会社である京仁鉄道合資会社の取締役社長を引き受けることになった。
 
同鉄道の建設は、日清戦争中の1894年に日本と朝鮮が締結した両国の「暫定合同条款」に盛り込まれた。同条款は序文部分に「将来の朝鮮国の自由独立を確固たるものにする」「(日朝両国の)親密を図るために貿易を奨励」などの目的が書かれ、具体的な施策の一つとしてソウルと仁川の間の鉄道建設が盛り込まれた。
 
同条款は鉄道建設に対しての朝鮮側の資金難を指摘し、日本政府または日本企業による建設を示唆しつつも結論は出さず、「よい方法を案出し、できるだけ早期の着工を必要とする」とだけ記した。
 
朝鮮政府は1896年1月、日本に対して一般的な経費不足に充てるための300万円と、鉄道建設費用としての200万円の借入を申し込んだ。
 
ところが朝鮮政府は同年3月、鉄道の敷設権を米国人のモールスに売却した。日本政府は暫定合同条款に違反として抗議した。
 
モールスは米国内で出資を募ったが失敗し、日本に出資を求めた。モールスはまた、京釜鉄道発起委員長だった渋沢栄一に京仁鉄道敷設権の譲渡を申し出た。ところがモールスは日本に対する要求額を5万ドルから30万ドルに引き上げたり、フランスのシンジケートに権利を転売しようとした。
 
一方で、鉄道建設にあたっては争議が続出した。モールスは対応に苦慮し、結局は権利を手放すことにした。引き受け手は京仁鉄道引受組合で、売却額は180万円だった。1899年5月には運営事業体として京仁鉄道合資会社が設立され、渋沢栄一が取締役社長に就任した。
 
同年9月18日には、漢江(ハンガン)西岸の鷺梁津から済物浦(仁川)間の開通式典が仁川停留所(写真)で行われた。日本の山縣有朋首相や各国の外交官も出席した。1900年7月には漢江にかかる鉄橋が完成。11月に京仁鉄道全線開通の式典が行われた。
 
【1899年のその他の出来事】
・米国がウェーク島の領有を宣言(1月)
・米比戦争始まる、米国がフィリピンとの約束破り植民地化へ(2月)
・日本がベルヌ条約に参加、文学と美術の著作権保護目的(4月)
・日本電気(NEC)設立(7月)
・ハーグ陸戦条約が締結、交戦資格や捕虜の扱いを規定(7月)
・日本で確認された初のペスト流行(11月)
・ヒルベルトの「幾何学原理」出版、数学における構造主義の嚆矢
(編集担当:如月隼人)

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