新型肺炎の感染拡大、中国政府の公式発表に「数字の矛盾」

湖北省武漢市で発生し、中国全国及び国外でも感染が拡大している新型コロナウイルスの感染による肺炎について、中国政府は21日から、各地から届いた報告のまとめを発表している。しかし、24日と25日の発表では、感染者数とその増加について矛盾がある。

 

中国政府・国家衛生健康委員会は21日に「1月21日 新型冠状病毒感染的肺炎疫情況(1月21日新型コロナウイルスの感染による肺炎の流行状況)」と題した文章を発表し、同日午前0時までの過去24時間における感染が確認された患者(事例)数と感染疑いの患者数を発表した。同文章は、同時点までの累計患者数なども記載した。

 

衛生健康委員会は22日以降も同様の題の文章を毎日発表している。内容は、24時間内に感染が確認された患者数の合計と省(中央直轄市、民族自治区)ごとの内訳、死者および治癒して退院した人の人数だ。さらに、同時点までの累計数も紹介されている。疑い例についても、過去24時間と累計で記述されている。

 

25日の発表では文章の題が「1月24日24時までの新型コロナウイルス感染による肺炎の流行についての最新状況」と変更されたが、内容はこれまで通りだ。なお「24日24時」は中国風の表現で、日本では通常「25日午前0時」と書かれる。

 

この25日の発表だが、24日の発表と矛盾している部分がある。24日の発表では、24日午前0時までに感染が確認された人数が「830人」とされていた。25日の発表で、25日午前0時までの過去24時間に感染が確認された人数は「444人」とされていた。

 

つまり、25日の発表では、同日午前0時までに確認された感染者数の累計は「1274人」となるはずだ。しかし25日の発表は、同日午前0時までに確認された感染者数の累計を「1287人」とした。

 

数字の「矛盾」があるのは明らかだが、単純な計算でも判明することを考え合わせれば、公式発表で数字の「改竄」をしているとはむしろ考えにくいだろう。21日以降に発表されている数字は国家衛生健康委員会が自ら調べた数字ではなく、県や市などがまとめた数字を省に提出し、省から提出があった数字を国家衛生健康委員会がまとめたものだ。

 

中国中央政府が発表する各種数字は、数字だけを見れば過去の発表と矛盾のある場合があるが、多くの場合には基準や対象期間の変更などの説明が追記される。新型肺炎についての24日と25日の発表の「矛盾の説明」は今のところ見当たらない。統計を作成する際の現場に混乱が発生している可能性も否定できない。(編集担当:如月隼人)

 


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Posted by 如月隼人