見知らぬ女性に、呆然として私の“恥ずかしいトコロ”を見せた話

学生時代の話。何かの用があって、木場の街に行った。東京都江東区だから、下町ということになるのかな。行きも帰りも地下鉄東西線の木場駅を利用。その帰りのことです。木場駅の改札を通ったあたりで、ホームに電車が進入する気配。普段は急いでまで電車に乗ろうとは思わないのですが、その時は魔がさした。「乗ろう」と決断。小走りになった。


目の前にエスカレーターがある。「しめた! 下りだ。ちょっとは早く行ける」と本格的に走り出す。エスカレーターに足を踏み出す。


とたんに、おっとっとっとっとっとっとっと。


足が奇妙にからまわる。上りエスカレーターでした。考えてみれば、駅に設置しているエスカレーターは、上りの方が圧倒的に多い。なぜ、「下り」と思いこんだのか不思議。やはり、魔がさしていたとしか思えない。


足元をすくわれ、止まることもできなくなり、上半身やや前方に突き出し、下半身は後方においてきぼりの姿勢で駆け降りる。体勢のコントロールができない。両足をかわりばんこに、せわしなく前後させる。「ころぶのは避けたい」の一心で、下のホーム階に向かってエスカレーターを突進する。最後の最後にバランスを崩した。一番下の部分、ステップが平たくなるあたりで倒れた。ドサッという音をたてて、四つん這いになる。


エスカレーターは、それまで通りに上向きに動いております。四つん這いになった姿のままで“振り出しに戻る”式に、上の階へと強制送還。もっと情けないことに、お尻の方が持ち上げられた姿になり、後ろの方にスーッ。


その時になり、到着した電車から降りてきた人がエスカレーターに乗ってきた。先頭は2人連れの若い女性。それまでおしゃべりをしていたようですが、会話が途切れた。向き合う顔と顔、計3人。


いやあ、恥ずかしかったなあ。というより、ことの成り行きに、ほぼ呆然としてたけれど、そうもしてはいられない。エスカレーターを後ろ向きにのぼりきった時に、改めて恐ろしいことになる。あわてて立ちあがった。回れ右をしてエスカレーターを降り、せきばらいなどしながら自分の服の汚れをはたくふり。さきほどの女性2人をはじめとする電車を降りた皆さんは見て見ぬふりをしつつ、私の横を通り過ぎて行ったのでありました。


教訓:
駆け込み乗車は絶対におやめください。ドアに挟まれるなどの事故の原因になるだけでなく、エスカレーターでこける恐れがあります(いや、マジですよ)。