新型肝炎が全世界に蔓延…死亡率の高い国・低い国…すでに全世界117の国と地域に感染拡大

世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスによる肺炎などの感染確認者は3月12日時点で、全世界で12万5048人に達した。感染が確認された国と地域は117カ所だ。各国別の数字を見ると、死亡率が極めて高い国や、反対に相当数の感染者を出していながら死者が出ていない国も存在する。

 

12日時点における中国以外の感染者は前日比6703人増の4万4067人だった。累計感染者では、中国の8万981人が圧倒的に多いが、同日における中国の新規感染確認が26人だったことと考えれば、中国が感染拡大の抑止に成功しつつある一方で、中国以外では感染が急速に拡大していると言える。

 

WHOのまとめにもとづいて、各国(地域)の死亡率を調べたところ、死亡率が異常に高い国があることが分かった。まず、12日時点における中国での累計感染者は8万981人、死亡した患者は3173人なので、中国での死亡率は3.92%だ。一方、中国以外では感染確認数が4万4067人で、死者が1440人なので、死亡率は3.27%だ。

 

感染確認が30人以上の国または地域について、死亡率を調べてみたところ、イタリアが6.64%(死亡者827人÷感染者1万2462人で計算)で、中国を除く全世界の死亡率平均の2倍以上だ。欧州では、感染確認がイタリアに次ぐ2269人であるフランスでの死亡率が2.12%、その次に多いスペインでも2.24%であることに比較しても、イタリアでの死亡率が高いことが目立つ。

 

イタリアで、フランスでの感染確認が12人、スペインは2人だった2月26日時点で、感染確認が前日比93人増の322人と、感染の急拡大がすでに始まっており、他の国に比べれば症状が出てから長期化する病例が多いので、重症化して死亡に至る場合が増加している可能性がある。

 

中東地域で、感染確認が9000人と、全世界で中国、イタリアの次に多いのがイランだ。イランでの死亡率は3.93%で、極端に高いわけではない。ただし、同じ中東地域でもイラクは、発症者が70人(前日比9人増)とそれほど多くない一方で、すでに7人が死亡しており、死亡率は10%と極めて高い。

 

米国の場合、12日には感染者が前日比291人増の987人に達し、同日までの死者は累計で29人だった。死亡率は2.94%と、全世界の平均よりも低い。

 

死亡率が極めて高い国が存在する一方では、感染確認が100人を超しながら死亡病例が発生していない国もある。デンマーク(感染確認は615人。以下、カッコ内は感染者累計数)、スウェーデン(461人)、オーストリア(302人)、ノルウェイ(277人)、バーレーン(189人)、シンガポール(178人)、マレーシア(129人)などだ。また、インドも感染者が73人と比較的多いが、死亡病例の発生は伝えられていない。

 

韓国は、東アジア地域では中国に次ぐ7869人の感染が確認が、死亡率は0.84%と低い水準だ。韓国の場合、感染確認に注力したために1日当たりの新規感染確認が、一時期は500人を超える状況になった。感染確認に注力する韓国の方式には批判も出たが、感染の早期発見が、死亡率の抑制に関係している可能性は否定できない。

 

なお、中国では感染者が集中した湖北省について2月12日から、「臨床的所見による所定の症状があるだけで感染者として扱う」方針を採用した。中国当局によれば、「ウイルス検査の結果を待たずに早期治療を施すことで、重症化や死亡する病例を減らす」ことが目的だった。

 

ウイルス感染の有無を調べる検査では、感染している人を「陰性」と判定したり、感染していないのに「陽性」と判断する事例が出ることは避けられないという。感染していないのに「陽性」と判断されれば、行動の自由を制限されるだけでなく、医療施設に収容されたことで「院内感染」のリスクも負うことになる。つまり、自ら望まない人に検査を強要すれば、「人権の尊重」という観点からすれば、大きな問題が出かねない。

 

しかし、中国での感染確認が2月末ごろから急速に減少したことや、韓国で死亡率が少なくとも現在までは低い状態に抑えられてることも事実だ。感染確認者が激増した場合でも対応できる医療体制の存在が大前提にはなるが、「とにかく感染を押さえ込む」ことを主眼に考えれば、中国あるいは韓国式の方法も、一考の価値があるように思える。

 

WHOのまとめによれば、3月12日時点における日本の感染確認は620人で、15人が死亡した。死亡率は2.42%という状況だ(ダイヤモンド・プリンセス船内での感染を除く)。(編集担当:如月隼人)