汚職で摘発、経歴見たら「かつては全国労働模範」だった例が続発」=中国

 中国・法制晩報によると、汚職で摘発された高級幹部の中に、かつては「全国労働模範」として表彰された者が存在する。2014年から現在までに少なくとも6人はいたという。

 

 労働模範とは、中国共産党が政権を奪取する前の延安時代から採用していた制度だ。ソ連が1930年代に採用した、生産力向上のために大きな功績のあった者を表彰するスタハーノフ運動を手本に、個人的な工夫や努力で顕著な功績を挙げた人を表彰している。

 

 選定の対象は地位には関係なく、「現場で実績を上げた」ことが重視される。職場単位、市、省などで選ばれる。「全国労働模範」ともなれば、中国では「社会人」としての最高の栄誉のひとつと言ってよい。

 

 法制晩報は、「全国労働模範」として表彰されながら、汚職で摘発された人物6人を紹介した。その1人、技術者として多くの橋梁建設を手掛け、複数の大学の教授を兼任し、しかも湖南省交通庁の副庁長を務めた陳明憲受刑者の場合、巨額の資金が動く建設業界に身を置いたことで、誘惑をはねのけることができなくなったという。

 

 全国労働模範に選ばれたのは2000年だった。陳受刑者が手掛けた橋梁建設は、非常に厳格で合理的な工程管理と、新たな技術の考案と採用が特徴で、湖南省では科学技術の最高賞である「光召科学技術賞」も受賞した。

 

 しかし、業者からさまざまな「付け届け」を受け取るようになり、しまいには「金と色」にまみれていることが、周囲に知られるようになったという。2012年に調査対象になり、15年9月には減刑付きの死刑判決を言い渡された。

 

 河南省洛陽市の共産党委員会書記だった陳雪楓氏の場合、2016年1月27日に不正の疑いで解任処分になり、現在も共産党による調査が進行している。

 

 陳氏の経歴で出色だったのは、「河南省で2番目に赤字の多い企業」だった永煤集団の立て直しだ。1999年時点で、同集団の累積赤字は8700万元(現在の為替レートで14億円超)だった。陳氏が同集団の社長(後に会長)に就任したのは2000年。陳氏は操業規模拡大により、費用対効果を改善することに努めた。

 

 99年の生産量は160万トンだが、2001年には404万トンの生産を実現し2600万元の利益を出した。02年にはさらに増産し、1億4000万元の利益を出した。永煤集団のベテラン従業員によると、陳氏の働きぶりはとにかく度を超していたという。

 

 食事をするのも寝泊りするのも炭鉱の現場で、年間を通じて休む日はほとんどなかった。深夜に会社幹部を集めて会議を開くことも、しばしばあったという。陳氏自身がいつも炭鉱に入り、技術問題の解決と生産性の向上のアイデアを出して実行した。

 

 会社は、中国の炭鉱業界で「永煤現象」と言われるほどの躍進ぶりだったという。陳氏は「全国労働模範」だけでなく、さまざまな栄誉に輝いた。 しかし会社が巨額の利益を出すようになると、陳氏も「巨額の着服」をするようになった。

 

 法制晩報は、全国労働模範になって選ばれたにも関わらず、腐敗問題で摘発された人々について「かつては、良心の塊りであり、勤勉だった。国の金を、ほんのわずかでも無駄にしなかった。ところが、権力が大きくなり、誘惑も大きくなるにつれ、最後には自らの欲望に負けて一歩一歩、規律違反と犯罪の道を歩むことになった」と嘆いた。(編集担当:如月隼人)

 

参考:・这六位曾被评为劳模的人缘何落马 (中国語)